| 3つの治療方針を提示した先生は矯正の専門医でしょうか。患者さんに選択させるというのはかなり酷な気がしますが、本来は、そこから一つを選択しその理由を説明するのが主治医の役目だと思います。 お子様の矯正的資料がないので確かなことは言えませんが、この選択肢ははじめから<3)上下左右第一小臼歯4本の抜歯による矯正治療>しかないように思います。 1)の方法について、その先生はそのようなケースを過去に経験しているのでしょうか。私自身は経験(抜歯矯正の適応でなかったために多少の無理を承知でトライ)をし、他の先生の治験例も見ていますが、結果は好ましいものではありませんでした(惨惨たるといった方がいいかもしれません)。逆転の程度によりますが、非常にむずかしい移動を長期に亘って続ける価値はなかったと感じています。 2)の方針は、多分はじめから考えないでしょう。
上顎の犬歯が左右とも上方(八重歯)の位置にあること、レントゲンから上下とも多少前突出であることなど、矯正学的にはかなり分かりやすい不正咬合で、そのまま第一小臼歯4本の抜歯による矯正の適応症と見ることができ、そこにたまたま犬歯と小臼歯が逆転したと考えれば、通常どおりの抜歯矯正によってすべてが解決するはずです。通常の矯正医ですと、そこに躊躇はほとんどないと思うのですが、1)2)の方針を提示するところに、矯正医ではなく矯正もやる一般歯科医か、小児歯科医的な考え方を感じます。
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