| この判断には極めて慎重であるべきですが、ユウナさんの<上顎より下顎が大きく下の歯をきれいに並べると受け口>という不正咬合に対して、<下の左右4番抜歯かディスキング>という2つの方法しか提示されないことに、矯正歯科医としてまず疑問と危惧を覚えます。 ユウナさんの矯正的詳細を資料から見たいところですが、何よりもまずユウナさんの矯正を担当しているのは矯正歯科専門の歯科医でしょうか。上顎前突(いわゆる出っ歯)のケースに、上顎のみ4番抜歯という治療方針は比較的よくとられますが、下顎前突(いわゆる受け口)ケースに下顎のみ4番抜歯という治療方針は希有で、そこには特別な事情が必要です。 ディスキングのリスクについてもそうですが、最も考えなくてはいけないことはユウナさんが矯正治療をする目的(何を治したいのか)です。いかなる主訴でユウナさんが矯正を始めたか分かりませんが、提示された2つのどちらかの方法で、ユウナさんの主訴が希望どおり取り除けるものかどうか、疑問であり危惧するところです。 何よりも、治療が始まって2ヶ月後に抜歯かディスキングを選択させるという、最も大切な治療方針が決まっていないまま動的治療を開始するという、矯正の常道にない進め方をするのはなぜなのでしょうか。そこにもっとも大きなリスクがあるように思います。 ともあれ、今の所での矯正治療が進まない内に、信頼できる矯正歯科専門の歯科医にセカンドオピニオンを受けることをお勧めします。
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