| まず、外科手術を要する顎変形症には、骨格性の下顎前突、上顎前突、開咬、偏位(顎のズレ)などがあり、その不正の種類によって術前矯正の治療方針はまったく異なります。そこで確認ですが、陽子さんの疾患名(不正咬合)は下顎前突(受け口)でよろしいですね。それを前提にして回答いたします。 外科を伴う下顎前突の治療方針は、1)非抜歯、2)上顎のみ抜歯(通常4番)、3)上下抜歯(通常4番)が通例で、そのうえで親知らずに対しては、1)いわゆる非抜歯の場合は上下とも抜歯が多い、2)上顎のみ抜歯の場合は下顎の親知らずのみ抜歯し上顎の親知らずは残す、3)上下抜歯の場合の親知らずは必要に応じて抜歯か残存、です。 通例からすると、オペを担当される先生がいわれた「こういった手術方法(多分、治療方針のこと)は少ない」というのは、そのとおりです。(下顎前突に対する)外科手術に先立つ術前矯正では、術後の下顎の後退量を大きくするために<一旦受け口をひどく>しますが、上顎だけの抜歯はそのための方針で、陽子さんのケースで下顎だけを抜歯した意味はこの文面だけからでは分りません(不正咬合が上顎前突であれば理解できますが、それでもあまりとらない方針です)。 下顎を抜歯し上顎を非抜歯にしたら、<一旦受け口をひどく>するのは大変難しくなってしまいます。矯正の先生が、術後の仕上げをどのように設定されているのか分りませんが、想像しにくいところです。何か特別の事情があってのことかも知れませんが、このような方針をとったことがないので、<その矯正期間、手術の様子>などについては残念ながらコメント出来ません。申し訳ありませんが、担当されている矯正医に直接尋ねて頂くのが最も確かです、としか回答できません。お許し下さい。
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