| リエさんが、どんな不正咬合でそれをどのように矯正し、どのようなリテーナーをどのくらいの期間装着されているのか分かりませんが、<引越し先の別の矯正歯科でリテーナーだけ作ってもらう事>は、リエさんが思っているほど容易ではありません。 そもそも矯正治療は、動的期間と保定期間という二つの期間に大別され、リテーナー(保定装置)の期間は矯正の終わりではなく、矯正治療の後半部分を行なっているに過ぎません。したがって、別の矯正歯科医院でリテーナーを調整したり作製することは、その医院がリエさんの矯正治療を引き継ぐことであり、その後の管理を含めてリエさんの矯正治療すべての責任を引き継ぐことを意味します。その重さから、通常は正式な転院の手続きと診療継続依頼を受けて、リエさんの矯正を引き継ぐという形を取ったうえで、リテーナーの調整や再製など保定期間中の必要な処置を行ないます。 リテーナーだけ作るということがあるとすれば、特別な(たとえば出張先でリテーナーを壊し、すぐには担当医の所に戻れないなど)の理由がある場合に、主治医に連絡して了解を得た後、同じタイプのリテーナーを再製します。いってみれば一回限りのお付き合いですが、矯正医にとってはお互い様なので無いことではありません。その際の費用はリテーナーにもよりますが、作業用に口の型を採らなければいけないこと、そのリテーナーを技工所に出すとしてその費用等々、それなりに掛かると思って頂いた方がいいと思います。すべては医院(先生)によりけりで、決まった額はありません。
ご質問に対する回答ですが、<使用している間に針金の部分などが歪んだりして、うまく機能しなくなる>ことは当然ありますので、保定期間中は大体3ヵ月に一回の通院が必要で、その時に調整をしたり必要があれば作り直します。 リエさんは、引っ越す前に今の矯正医に診てもらい、リテーナーの調整と経過観察中に必要な処置を受けたうえで、転居することを伝えるべきだと思います。担当医と相談しどう判断するかですが、このまま無断で通院をやめるのは、リエさん、今の担当医、新たな矯正医の誰にとっても好ましいやり方ではなく、後々トラブルを生ずる元になりかねません。 できれば今の担当医の所で、すべてを完了するまで通うのがもっとも無難なやり方ですが、それが無理だとすると、費用の面も含めて、リエさんには少し面倒を覚悟しなければいけないかもしれません。
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