| 上顎と下顎はクサビ状(V字を横にして、開いている方が前歯部で閉じている方が奥歯)という説明は分かりますか。咬み合わせが深過ぎる状態(過蓋咬合)というのは、このクサビの開き方が狭いということで、本来は挺出した前歯部を圧下してクサビを広げるようにして、咬み合わせを浅くする理屈です。 奥歯を挺出させることも理屈には合っていますが、上下の歯がぶつかりあっているため容易なことではありません。しからば<奥歯を補綴処理によって高くすれば>という意見ですが、急激に高さを変えれば、その歯以外の前方の歯がすべて咬まなくなってしまい、奥歯だけで無理して咬めば恐らく急性の顎関節症を起こすでしょう。ということで、折角のパンクさんのアイデアですが、現実的ではありません。 パンクさんの不正咬合の詳細は分かりませんが、過蓋咬合は通常上顎前突(出っ歯)の一型で、前方に突出する分が下に覆いかぶさって咬み合わせが深くなるものです。正常な前歯は、上下でそれなりにぶつかって挺出してきませんが、上顎前突ですとストップがなく挺出して過蓋咬合になります。 パンクさんのオーバーバイト(咬み合わせの深さ)が浅くならない一因は、上下歯列の<上顎前突の関係>が改善されていないことにあるように思います。
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