| 投稿の内容はかなりデリケートな問題を含んでいるため、プリントアウトし読み返しながら回答を書いていますが、回答というより個人的な推測と、それをもとにしたコメントでしかありませんので、あくまでも参考意見に過ぎないことをご了解のうえお読みください。 結論から申し上げると、ららさんは今の矯正歯科(専門医院?)と無関係に、歯周病の治療を得意としている歯科(もし通える所に歯科大学があれば付属病院の歯周病科)に、ららさんの現在の歯周の状態を診察してもらうことを勧めます。 ららさんの年齢、不正咬合の初診時の状態、治療方針(抜歯部位と本数)などが分かりませんが、もっとも気になるのは<初診時のレントゲンの説明では、下の前歯の骨が退縮しており軽い歯槽膿漏>といわれたコメントです。あくまでも推測ですが、この時点で歯周病科医による治療が必要な状況ではなかったかという点が一点。そして、今の諸症状は歯周病が進行した結果ではないか、というのが二点目の推測です。 ひと月ほど前、別の投稿に回答したものを下に引用します。 「矯正治療では、紙1枚レベルの咬合の調整まではできません。その人の最終的な咬合は、唇や頬といった軟組織(筋肉)を含めた、歯列とそれを取り巻く周囲の微妙な自然の調整に委ねます。そのわずかな歯の移動はいわゆる後戻りではなく、適応という大切な過程であって、これは年齢とともに生涯続く変化であり、現象です。 人為的に動かした歯は、多かれ少なかれ元の位置に戻ろうとする性質があります。それと同時に、上述した適応のための移動もあります。病気の再発に相当する後戻りがないわけではありませんが、そこには原因が必ずあります。患者側に依存する原因はともかくとして、適切な症例分析に基づいた適切な治療方針と的確な判断、熟達した技術の集大成として完成した歯列、咬合は、やはり安定しているものです。」 以上が引用部分ですが、言いたいことは、器械的なリテーナーを終了し、適応という微妙な変化を含みながら、周囲組織によって好ましい咬合状態を保ちつつ、増齢的に個体に合った調整が営まれていく、これが矯正の最終的な仕上げであること。これを獲得するには、適切な矯正治療は当然として、その間およびその後に健全な歯周組織の存在がなければ成り立たない、ということです。 二人の歯科医の説明は、話が少し過小化されているように感じますが、嘘はないように思います。ただ、このまま再治療に入るのはいかがなものか、というのが率直な感想です。 ららさんのこれまでの矯正治療に対する評価と再治療の是非については、別の矯正医によるセカンドオピニオンを受けられることをお勧めします。そして、冒頭に申し上げたように、ららさんの歯周組織の状態を専門的に診てもらうこと。そこで再治療の是非を含めた観点の異なる意見が聞かれるかと思いますので、ららさんは、それらを総合的に勘案したうえで次を判断されるべきかと思います。
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