| 矯正専門医の目からすると、「矯正すればいいのになあ」と思う人を街でよく見かけますし、テレビで観ることもありますが、それはその人の個性でもありますから、「矯正したい」と求められないかぎり、矯正医が余計な口出しなどできません。基本的に、矯正治療をするかどうかは患者さんの価値観の問題であって、“したくないものを無理にする必要はありません。” <虫歯の治療で通っていて>とありますから、そこは一般歯科治療を行なう医院で、歯科医も矯正専門医ではないことがわかります。何よりも、このような強引な誘導のし方は、矯正歯科専門医院ではまず考えられないことです。お嬢様の咬み合わせが確かに過蓋咬合であったとしても、患者さん側が治療に納得されなければ、治療は中止です。 歯科医院側とは諸々の取り決めがあったかと思いますが、費用のことについては、治療費の総額とは<治るまでの費用>ですから、取り立てのような言い方があったら毅然と対応することです。もし、埒が開かないようでしたら、地元歯科医師会の苦情窓口に訴えてください。そのような歯科医は、すでに何件か苦情が持ち込まれている可能性もあり、歯科医師会が親身になって対応してくれることは十分あり得ます。また、たとえば消費者生活センターなど、地元住民の苦情窓口にも相談されるといいかもしれません。 すべて投稿のとおりだとすると(疑るわけではありませんが)、その歯科医は矯正界にあるまじき“強制”医で、矯正歯科界に身を置くものとしては憤りを禁じ得ません。何よりも、現在小学6年生の過蓋咬合を、3年前から始めなければいけなかったのかどうか。ともあれ、お嬢様の矯正治療の是非は、矯正歯科医の名誉挽回のためにも、一度本物の矯正歯科専門医に相談されることをお勧めします。十分納得のいく説明をしてくれるはずです。
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