| <矯正したいなと思い始めて数年>とありますが、シロさんが<何のために矯正したい>と思うのかが要点で、<口元の前突感が気になり>という点を含めて、心の深層を自分自身でもう一度確認しておく必要がありそうです。 理想的な治療方法が、インプラントで非抜歯矯正か外科手術の2通りというのは、(理想的といえば最善つまり一つだと思いますので)少し変ですが、そのうえで、その理想的方針とは別の(理想的でない)方針を選択するとすれば、それなりのデメリットとリスクを十分納得して臨まなければいけません。具体的には、シロさんが挙げているいくつかの不安事項が発生することはあり得る、という意味です。 理解しにくい話だと思いますが、歯科矯正という治療は、数学のように答えがただ一つだけという原理が成り立たない医療である、と思っています。矯正に○×のはっきり出来ない部分があるのは、感情(心)が入り込む余地(アートとも呼べる部分)があるからだと考えています。 モーツアルトの曲の素晴らしさを、数値で評価はできません。ピカソの絵の良さも数値で表せるものではありません。大学(医局)の研究者たちが、検査や分析という名で数値を振り回すのは、伝達や検証という意味である程度やむを得ないことですが、審美や心の問題を評価する方法がほとんどないことが、その方面での矯正治療のあり方を歪めている、と感じています。 何をもって理想的な治療方針と言ったか分かりませんが、先の二つの方法は、同じ結果にはなり得ません。シロさんの矯正的詳細が分かりませんが、少なくとも外科矯正という選択肢が提示されているとすれば、最善手はそれというのが、ここでの回答の基本姿勢です。それをふまえて、選択肢の中に<だったらやらない>という考えがあってもいい、と思います。 タイトルは<抜歯矯正・審美優先の噛み合わせについて>ですが、果たしてこれで回答になったのかどうか。見当違いでしたらご容赦下さい。
|