| こんにちは.晝間康明@ひるま矯正歯科です. 学会参加にともなう休診があり,回答が遅れて申し訳ありません. 回答をさせていただきたいと思いますが,質問の内容から現状がよく分かりません. 下記のような治療であると想定してお答えします.この想定と異なる場合は,回答も変わってくるとお考え下さい.
・男性の成人矯正治療である ・動的治療開始から1年経過 ・上顎の抜歯部位は左側4番(第1小臼歯),右側6番(第1大臼歯)の非対称抜歯 ・下顎の抜歯部位は非抜歯? ・矯正装置の種類:上顎は舌側矯正,下顎は通常の矯正 ・今後,上顎の口蓋側にインプラントアンカーを植立して前歯を後退する ・矯正治療は矯正歯科治療の経験が豊富な歯科医師が行なっている(私の希望的想像です)
以下回答です. > 1、歯を噛み合わせた時、中心がずれてること 抜歯部位が非対称である場合,中心がずれる事があります. しかし,抜歯したスペースが残っている状態であれば今後徐々に改善していくと思います.
> 2、歯を噛み合わせた時、右と左の高さが違うこと 中心のずれと同様,抜歯部位が非対称である場合に起りうる事です.特に大臼歯を抜歯しているのであれば左右の噛み合せの高さはずれる事が多いでしょう
> 3、歯を噛み合わせた時、以前より噛み合わせが深くなっている(以前より > 上の前歯と下の前歯の隙間が大きくなって)ことで下顎が後退して見える 上顎の前歯が唇側に傾斜して,上顎前歯の舌側歯肉に下顎前歯切縁が噛み込んできている状態ではないでしょうか? 上顎の大臼歯が近心に移動しないように上顎前歯を後退すれば改善できると思います.
> 4、抜歯したことによって歯のアーチが狭くなり頬が痩けたりしないか? 基本として抜歯してもアーチの幅は変えませんのアーチの幅は狭くなりません.しかし,抜歯により前歯が後退するのでアーチの前後径は短くなります. 頬のコケは頬骨周囲の軟組織の変化により発生すると考えますが,矯正治療では頬骨周囲の軟組織まで影響を与える事は出来ませんので矯正治療が直接的に頬のコケに影響を与える事はないでしょう.しかし,矯正治療のストレスでやせて頬がこけるといった事はあるかもしれません.
> 5、鼻の形や向きに影響はないか? 4の回答と同様に矯正治療では下顔面部の軟組織(口元からオトガイ部まで) にしか影響を与える事ができません.したがって,鼻の形や向きに影響はないでしょう.
以上,回答とさせて頂きますが御質問の内容から口腔内が想像できませんので回答に自信がありません.特に上記の治療方針が私の想像通りであればかなり複雑な治療方針ですので,主治医が経験豊富な矯正歯科医でないと通常では想像しないエラーが発生する可能性があると危惧します. 不安なまま治療を進める事は精神衛生上よくありませんので矯正主治医より今後の治療方針に対して説明を聞く事を御勧めします. もし,主治医に質問しにくいようでしたら一度口腔内と初診時の資料を拝見させて下さい.より正確な回答が可能です.
以上,参考になれば幸いです.
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