| abaniさんは、投稿にあるサイトにNewとあるので、このテクニックは最近新しく開発された(画期的な)な理論と技術だと思っていませんか。あの<New>は、HPを新しく開設するという意味のNewですので、お間違いのないように。そのうえで、ご質問は非常に回答の書きにくい内容であることを深くご理解いただいて、返答をお読みください。 今日本には、ザッと数えても15以上の矯正テクニックが存在します(ある元教授は、最近の歯科雑誌に30と書いています)。研究会のHPによれば、この研究会の設立は1991年(16年前)で、テクニックとしては後発ですが、その頃は海外から色々な矯正医が来て、各種のテクニックが盛んに紹介された時期でもあります。 私はこの講習会には参加していませんが、研究会にも入り症例をいくつか手掛けたりした仲間から、このテクニックの哲学、理論、技術はそれなりに説明を聞いて理解しています。いかなるテクニックも完璧なものなど存在しませんが、そのなかで、このテクニックには21世紀的ではないデメリットがあると思っており、今後、このテクニックを継承していく若い矯正医が増えることはない、と感じています。 繰り返しますが、<非常に回答の書きにくい質問>ですので、お尋ねの2点だけに端的にお答えすれば、取り入れる考えはまったくありませんし、将来もあり得ないでしょう。その理由は、コンセプトが信条と合わないというのがすべてですが、デメリットが大きいというのも理由です。 ちなみに、当院には他院で矯正中の患者さんのセカンドオピニオンや、再治療を希望して見える方が少なからずありますが、その中には、このテクニックによるものが少なくありません。それは、術者の技術と経験と知識が未熟ということにあって、このテクニックの責任ではないともいえますが、メカニック的にリスクを招きやすいと、個人的な感覚では思っています。ちなみに、近しい矯正仲間でこのテクニックを継続している者を知りません。
|