| ひろさんの矯正的詳細が分かりませんので、以下は一矯正医の感覚的な意見として読み流してください。 1)左側だけ上下4番を抜歯 原則的に、片側だけの抜歯による矯正は色々な面(治療途中のコントロール、仕上げ方、万一の場合の再矯正など)でむずかしいため、特殊なケース以外はできるかぎり避けています。ひろさんが心配している事態の発生も、ないとは言い切れません。 2)左右上下4番を抜く これがもっともまともな考え方に基づく方針だと思いますが、<左上4番の代わりに6番抜歯>となると、矯正はかなり難しい方に変ります。6番が抜歯か保存かは、レントゲンと保存科医による診断次第ですが、6番が要抜歯と診断され、その後方に正常な7番、8番(親知らず)が存在していたら、通常どおり上下4番抜歯に加えて6番を抜歯し、7,8番を近心(前方)に移動して6,7番に代用する、という方法もあります。 欠点はその分治療期間が長くなることですが、6番だけ抜いて5番を6番に代用しようとすると、最後に5番の形態修正(補綴処置:冠を被せる)が必要になること、5番の遠心(後方)移動が結構むずかしいこと(インプラント固定を行なうのでしょうか)、さらに4番も後方移動しなければいけないのでやはり期間はかかること、などがあります。この選択は、それぞれのメリット、デメリットをよく聞いた上で、最終的にはひろさんが自己責任で判断するしかありません。 3)左上下4番のみ抜歯 というと1)と同じになってしまうので、<左上4番のみ抜歯>の間違いだと思いますが、これは“感覚的に”もっとも危ない選択だと思います。患者さんに迎合的な方針より、資料の分析結果を十分斟酌した上で、自分の診療(矯正)哲学に合った方針を毅然と示す姿勢が、矯正医には求められているように思います。 すべてに通ずることですが、当たり前の方針(治療)が結局は一番無難です。
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