| 一般的にはひなさんが書かれているとおりであり、それが正論なのですが、実はICRP(国際放射線防護委員会 下記参照)では、<歯のX線検査では基本的に防護エプロンは必要ない>としているのです。これは、通常の歯科診療で用いるX線は検査のためだけですから、治療に用いるX線量などと比べると、比べようがないくらい僅かな量だから、という理由です。 それでも、日本では、レントゲン室の設置時には保健所への届出義務と、それにともなう係官による厳しい立ち入り検査があり、撮影時の防護着の着用を強く指導されます。そのため、ほとんどの歯科医院では忠実に従っている、というのが実情です。 本当は心配ないといっても、心理的には不安でしょうから、撮影時には防護着をつけてもらうよう頼んでください。
<参考資料> ICRP (International Commission on RadiologicalProtection) 「国際放射線防護委員会」 国際放射線防護委員会(ICRP)は1928年に設置された国際組織で、放射線防護・安全の基本原則、基準となる数値等を検討し、勧告していた。ICRP勧告は、日本をはじめとした世界各国の放射線防護法令の規範となっている。 ICRPにおいては、放射線や放射性物質は多くの国々で利用されており、国際的に統一された安全基準が必要であるという認識のもとに放射線防護の基礎となる考え方・基準などが検討される。検討された内容は、ICRP Publication として公刊される。ICRPが勧告した放射線防護基準そのものは、各国の放射線防護方策の基礎となる原則を提示したものにすぎない。このため、勧告内容には適切な柔軟性をもたせている。各国の放射線防護基準はICRP勧告を規範として策定されているのが実情である。わが国の放射線防護基準もICRPの勧告に基づいて放射線審議会等の審議を経て策定されている。
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