| まず、過剰歯はその言葉のとおり過剰な歯であり、余剰歯の別名のごとく余分でまったく不要な歯です。すでに見えるところまで萌出(生えること)しているのでしたら、矯正医への相談に関わらず、速やかに抜歯するのが一般的だと思います。 右上1番がまだ<かなり上の方>にあるということですが、問題は左側1番との位置関係の違いです。8歳男児といえば、そろそろ上顎の1番が萌出しておかしくない年齢ですから、左側の1番はかなり下に降りていて、萌出間近かという状態かと推測します。右上1番が上の留まっているのは、通常は過剰歯が萌出を妨げているからで、それをどかしてあげれば(つまり抜歯すれば)、1番の歯の方向がおかしくないかぎり、自力でどんどん降りてくるものです。
矯正医に相談したら<過剰歯を保存するとか、しばらく様子を見ましょう>などということは、まずあり得ないことで、最初に紹介状を書いて<過剰歯を抜歯してもらう>ところから始まるはずです。 西山さんには、今掛かられている歯科医に速やかに過剰歯の抜歯を頼むことですが、それは診断と治療方針になりますので、本来、患者さんが決めるべき事柄ではありません。その歯科医がレントゲン的に過剰歯と判断しながら、速やかに抜歯しない理由は1番がまだ<かなり上のほうにあり>という点かと思いますが、抜歯の時機が遅れると、逆にその1番の萌出に大きな障害となり、そのまま萌出できなかったり(埋伏歯)、萌出が著しく遅れたり、萌出しても捻じれたり位置が悪くなったりする危険(可能性)が増大します。 お子様の歯ならびや咬み合わせが、過剰歯以外にも心配な点があり、将来、矯正治療の適応になることが十分予測されるのであれば、その点を含めて直ちに矯正医に相談されるのは適切な判断かと思いますが、そうでなければ、一般歯科でまず過剰歯を抜歯し、左側1番の永久歯の萌出状態と合わせ見ながら、明らかに変であれば、一般的にはその時点で矯正医に相談されて十分かと思います。 ただし、掛かりつけの歯科医が過剰歯を抜かず、まず矯正医に掛かることを勧めているのだとすると、1番の萌出に確信が持てないためか、もう少し事情が複雑であることも考えられますので、その場合はやはり矯正医に相談してください。 いずれにしても時機という問題がありますので、何も行動しないというのは事態を悪化させるとご理解ください。
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