| 2008/02/26(Tue) 17:47:27 編集(投稿者)
<最近その事実を知った大学の先生>とは、manaさんの過去ログから顎手術を担当した口腔外科医かと思いますが、「歯の移植は問題があり、移植した歯は年数が立つと使用できなくなるため、この場合はインプラントをすべきだった。かみ合わせにも影響が出る」という意見には、矯正医として素直に賛同することはできません。発言が医療人として不用意過ぎる気がしますが、過去ログにある<(担当の矯正医は)元々口腔外科医に対してライバル心を持っていた>という感情は口腔外科医の方も同様であって、(manaさんにはいい迷惑ですが)双方の気が合わず仲が悪いのではないかと疑います。 右下7番が、所見から要抜歯と診断されたかぎり抜歯は妥当な選択であり、抜歯すればそのスペースに歯科的に何らかの対応をしなければいけないのは当然なことです。その際に考えられるのは、8番の近心(前方)移動による7番化、移植、放置(矯正後に補綴)などで、その中から矯正医はそれぞれのメリット、デメリットを勘案したうえで、さらに一般歯科医の意見も取り入れて移植を選択したと推測できます。重要な点をどこかで読み落としているのかもしれませんが、矯正前に抜歯した部位にインプラントを入れるのは無謀でしかなく、矯正医の選択肢としては通常ないはずです。そもそもインプラントは動かない歯ですから、矯正治療の大きな障害になってしまいます。その点で、口腔外科医が矯正歯科治療にどの程度の理解と認識を持っているのか、疑問に感じます。 移植は比較的よく行なう処置で、患者さんの年齢や移植床(移植する解剖学的場所)の状態そして外科医の力量に関わりますが、当院での症例でもほとんどすべていまだに十分機能しています。抜歯した右下7番の所に8番を移動させられれば、恐らくそれが一番良いのでしょうが、8番が水平に埋まっていたりすると、それを起こして7番の位置まで移動させるには、プラス2年ぐらいの期間延長が必要となりますので、その点も担当医は考慮してその選択肢を排除したものと推測します。 <この後、どうして行けばよいのか> 今回のご質問事項に関しては、全面的に矯正医の判断を支持します。インプラントを望まれるのであれば、矯正治療後に行えばいいことです。その時点でできるかどうかはインプラント専門医の診断が必要ですが、インプラントも脱落やトラブルは多く、歯科のクレームでいま最も多いのがインプラントに関するものと聞けば、費用の高いこととリスク(デメリット)を十分理解して臨まれることです。
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