| おはようございます.晝間康明@ひるま矯正歯科です. 休診日が入り回答が遅れて申し訳ありません. 早速ですが質問にお答えします.
前提として,永久歯列に対する矯正治療の最も効果的な年齢は12〜20歳頃ですので効果的な年齢は超えていますが,健全な歯周組織と歯があれば矯正治療は可能です. しかし,歯並びが悪い状態で数十年が経過していますので完全に健全な歯周組織や歯である事は稀ですので矯正治療開始前,治療中のう蝕や歯周病に対する注意深い治療や管理が必要です. また,年齢が高ければ高いほど歯の移動には時間がかかり,場合によっては動かない歯があるかもしれないので事前に充分な診査・説明を受けて治療に臨まれる事をお勧めします.
>親知らずを抜くだけでほかの歯を抜かないで歯をきれいにそろえることは出来るのか? 症例によっては可能です. 具体的には,デコボコや歯の重なりが少なくて歯列を少し広げられるくらい歯を支える歯槽骨の幅や唇のバランスに余裕がある場合です. ただし,顎骨に完全に埋まっている親知らずを抜いても顎骨内のスペースはほとんど増えないので,その様な症例では小臼歯などの抜歯も必要になります.
>動かした歯が治療終了後定着するのか? デコボコや歯の重なりの原因が除去されていれば治療後も安定します. しかし,10代,20代の方に比べて後戻りはしやすいと感じていますので治療時間をじっくりかけて歯の移動を精密に行なう事をお勧めします.
>このまま矯正をしなくても今現在は特に不自由を感じてはいませんが、確かに前歯が少し段違いで、左側の歯はうまく上下が噛み合ってはいません、歯科医が言うにはこのままきれいに噛み合っていないままほって置くと歳を行けばいくほど歯茎が緩んできて前歯が今少し出ているのがますますひどくなり、問題が起きる可能性があるとの事。 >今問題が無くとも将来を考えると今からでも矯正をするべきなのかどうか 日本人の平均的な歯の喪失の始まりは50歳です. これは,これまで治療したり気がつかなかった歯周病が顕著に現われて,歯を抜かざるを得ない状況になるからです.また,歯が1本抜けるとその周りの歯に負担がかかるために周りの歯も抜けていき,加速度的に喪失歯数は増加しブリッジや入れ歯に代わっていきます.さらに歯が抜けるスピードをます修飾的な因子として歯並びや噛み合せの悪さがあります.したがって現在問題が無くても(不自由を感じていなくても),専門的に診て問題があるようであれば矯正治療をして改善をする必要があると言えます.しかし,前述したように成人の矯正では成長期の矯正治療と異なり注意しなければならない点が多々ありますので事前に矯正治療を行なう上でのメリットデメリットを充分に説明して頂き御自身で理解してから矯正治療を始めるようにして下さい.
以上,取り急ぎ回答とさせて頂きますが御不明な点があればお気軽にお尋ね下さい
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