OPひるま歯科 矯正歯科 質問コーナー

医院のページへ 使い方 質問をする 最近の質問 ツリー表示 検索

No4257 の投稿


■4257 / )  Re[1]: シザーズバイト等の矯正について
□投稿者/ 晝間康明@OPひるま歯科 -(2018/06/08(Fri) 11:17:04)
http://www.hiruma.or.jp
    パラジウム様
    ご質問いただきありがとうございます.
    晝間康明@OPひるま歯科です.
    遅くなってしまいましたがご質問にお答えします.

    詳細にご説明いただいたので口腔内の環境がある程度イメージ出来ますが,矯正歯科学的な資料が無い状態の推測による回答であり実際に診察した場合には回答と全く異なる治療方針を提案する可能性がある事を十分にご理解下さい.

    以上をふまえ,記載された内容からシザースバイトと叢生を伴う両突歯列(上下顎前突)と思われます.

    > @抜歯(上下左右1本ずつ)+ブラケット矯正
    上記診断であれば,当院では上下顎の小臼歯を抜歯し前歯を可及的に後退させる治療方針を選択します.アンカースクリューを使用するかどうかは矯正歯科学的な資料が不足していてお答え出来ませんが使うとしても10本は使わないと思います.

    > A非抜歯インビザライン矯正
    日本矯正歯科学会のホームページにもある様にインビザラインなどのアライナー矯正は医療機器として認められていないため厚労省は「「歯科医師が患者への十分な情報提供を 行った上で患者の理解と同意を得ることを遵守するとともに、歯科医師の全面的な責任の下で使用され たい。」と注意喚起を促しています.
    また,アライナー矯正では取り外し式である事などから治療の範囲に制限があり治療結果の質も低く適応症は限られており,シザースバイトと叢生を伴う両突歯列(上下顎前突)に適した治療法ではないと考えます.
    詳しくは下記日本矯正歯科学会のホームページからPDFファイルをダウンロードしてご確認下さい.
    アライナー型矯正装置による治療指針 一般公開にあたってhttp://www.jos.gr.jp/news/2017/0323_00.html

    さらに叢生やシザースバイトの原因は顎骨に対して歯が大きすぎて並びきらない事が原因である場合が多く,非抜歯による矯正を行う事で前歯が唇側に傾斜し口唇の突出感が強くなったり,矯正治療後に後戻りしたり,第2大臼歯(7番)が埋伏するなどの問題が発生しますので非抜歯による治療もお勧め出来ません.

    以上の回答に加えて下記質問にもお答えします.

    > このような場合、横顔の改善まで望むかどうかを基準に治療法を決めれば良いのでしょうか?抜歯と非抜歯で治療後の歯列の安定性に差はないのでしょうか?
    矯正歯科治療は,治療後の歯並びが気に入らないからと言って後で簡単に変える事が出来ない治療になり、治療後の歯並びと今後の人生でずっと供に過ごさなければなりません.ですから出来るだけ最高のゴールを目指す事が望ましいと考えています.従って,歯並び,噛み合わせだけでなく,口元も含めたゴールを設定する必要があります.
    また,当院の長期経過や新潟大学の長期データをみても抜歯矯正の安定性は高いと考えていますので,推測した診断が正しければ非抜歯はお勧めしません.

    > もうひとつ不安な点として、インビザライン で治療した場合、うまく歯列が移動できなくて矯正前より口元がもっこりしたり、途中で抜歯矯正に切り替えなければならないリスクも有り得るのでしょうか?
    十分にあります.
    そしてその責任を,パラジウムさんのインビザライン装着時間や治療法を選択した責任に置き換えられてしまう可能性もあり,その際の精神的・肉体的負担は大きなものとなってしまいます.従って,私は科学的にも信頼のおける基本的な矯正治療法(エッジワイズテクニック)を最初から選択する事をお勧めします.

    以上,回答とさせていただきますがわかりにくい点などあればお気軽にお尋ね下さい.
返信 削除キー/


Pass/

医院のページへ 使い方 質問をする 最近の質問 ツリー表示 検索