| この質問は、<歯を動かして前歯の不正を治すのではなく、差し歯にすることで治せないか>という意味かと思います。矯正治療の大前提は、歯を望ましい位置に<動かすこと>で歯ならび、咬み合わせの異常を治すことですが、差し歯は補綴(ほてつ)といって、虫歯などで悪くなった歯を削って人工物で補う義歯の一種で、できるだけ元の状態近くまで戻そうとする治療です。 矯正の領域である歯ならびや咬合の改善が、矯正治療(歯牙移動)ではなく、たとえば差し歯など手っ取り早い方法で処置したものと、結果が同じであるはずがありません。多くは満足する結果を得ないのですが、加えて、人工的なものは必ず劣化する運命にありますから、一生そのままということはあり得ません。また、ユキさんの場合のような前歯部の補綴は、保険が適用されませんが、年齢とともに作り替える面倒もさることながら、その都度の費用はよく考えればまったく勿体ない出費です。 せっかくの生活歯(健全歯)の神経を失活させ(死なせ)、歯を削って人工物にすることの、将来的な見地からのデメリットは決して少なくありません。この質問コーナーの過去ログに参考例をいくつか見ることができますが、その一つを下に引用しておきますので読んでください。 http://www.hiruma.or.jp/cgi-bin/treebbs/cbbs.cgi?mode=all&namber=461
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