| 残念ながら、このご質問に確信を持って答えられる矯正医は、恐らく一人もいないでしょう。むしろ、知りたいのは矯正医の方も同じで、そのために各大学の研究室では、年月を掛けて特定集団の成長を追跡調査したり、統計をとったりして研究を重ねてきました。その結果、平均的な成長の進み方や、成長のあり方にいくつかのパターンがあることなどは分かりましたが、心配な母さんのご子息というように、個体についての個々の成長予測はできないのが現状です。 つまり、ご子息たちの身長が、最終的に180cmになるのか160cmなのか、そしてその成長発育がいつ終わったのか、まだ続いているのかは、結果的にしか分からないように、結局、顎の成長も<なってみるまで>分からないのです。 成長期にあるというご子息の年齢は分かりませんが、今現在、受け口でないのであれば、この先をただ見守るしかありません。早期発見、早期治療を謳い、早く治せば遺伝的な骨格性の不正咬合も治るようなことをいう歯科医がいますが、それが本当なら矯正専門医は楽なものです。すぐ下段の投稿者への回答の中でも書いたことですが、3歳の患者に将来外科手術以外ないと判断し、それを承諾の上で、親の意向を入れて、やれる治療をすべてやってみて、一時期咬み合わせは良くなったものの、20歳の時に外科矯正をしたというケースを持っています。 舌僻があるなど、後天的な要素があればそれを治すことは必要ですが、遺伝的な不正咬合に予防的な処置は基本的にはなく、やるなら矯正治療になってしまいます。ご心配であれば、一度矯正専門医に相談し、資料をとってもらうことですが、しばらくこのまま成長の推移を見守りましょう、ということになるように思います。
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