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ドキュメンタリー矯正治療 / ステップ2

ステップ2 治療開始前の精密検査(現症の把握)

ここでは現在の状態を把握し、主訴の原因がどこにあるかを検討します。また、再現性のある資料(規格化された資料)をとることにより治療中の再評価が可能となります。

まず顔面写真により、軟組織(唇や顎の周りの筋肉など)を中心とした静的な顔全体のバランス、口を閉じた時(唇に力を入れた時)と開けた時(唇の力を抜いた時)の違い、スマイル時の唇と歯のバランスといった動的な顔と歯のバランスについて検討します。

次にX線写真により軟組織と硬組織のバランス、顎骨内にある歯根(歯の根っこ)やむし歯、歯周病の状態について検討します。そして口腔内写真、口腔内石膏模型により上下歯列の位置関係や歯と顎の形態的なバランスを評価します。

顔貌所見 

正貌

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正貌

正面から見た顔貌はほぼ左右対称ですが、口裂(上唇と下唇が接触する部分)はやや左上がりです。

側貌

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側貌 写真1 側貌 写真2 側貌 写真3 側貌 写真4

側面から見た顔貌では、鼻の先とオトガイ(下顎の先端)を結ぶE-lineに対して口唇はやや突出しています。下顔面高(おでこから顎の先までの長さに対する鼻の下からオトガイまでの長さ)は短くやや軟組織が余った感じが見受けられます。また、口を閉めた時と少し開けた時の唇のバランスに大きな変化を認めません。

スマイル

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スマイル 写真1 スマイル 写真2

スマイル時の上唇と歯や歯茎の見え方はバランスがとれています。笑った時に上顎の歯茎が見え過ぎたり、逆に上顎前歯が全く見えないということはありません。主訴である正中離開(歯と歯のすき間)は遠くから見ると暗く(歯が黒いかのように)見えてしまいます。したがって食べ物がかみ切れないといった機能的な点を気にするのではなく、審美的な点を気にされる方が多くなります。

X線写真所見

正面頭部X線規格写真

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正面頭部X線規格写真

正面から見た頭部骨格の全体的なバランスはほぼ左右対称です。頭部に対する上顎骨、下顎骨の水平的なズレ(左右へのズレ)は認められません。

側面頭部X線規格写真

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側面頭部X線規格写真

計測結果
(専門的なので説明はまたの機会に)
SNA 89.0 SNB 87.0 ANB 2.0 FMA 21.0
U1-SN 120.0 IMPA 94.0 I.I. 120.5
FMIA 65.0

側面から見た頭部に対する前後的な上顎骨、下顎骨のバランスを評価します。下顎骨がやや前方に位置するものの大きなズレはありません。また、下顔面高(鼻の下から顎の先端までの距離)が短く唇が余った感じになり、上下の前歯が唇側に傾斜しています。この結果、上下口唇が突出していることがわかります。

パノラマX線写真

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パノラマX線写真

大きなむし歯や歯周病はありません。
上顎左右中切歯の間に埋まっている過剰歯(*2)は認めません。
下顎左右に第3大臼歯(親知らず)を認めます。
上顎大臼歯が近心に傾斜しています。
右側上顎洞に粘液貯留嚢胞を認めます。
顎関節(関節突起、下顎頭)に異常は認めません。

*2解説:過剰歯とは本来はない歯のことです。このような歯が顎の中に存在することで歯並びを悪くする場合があります。過剰歯が左右中切歯の根元(骨の中)に入り込んでいると正中離開が引き起こされる場合があります。

口腔内所見

正面口腔内所見(正面から噛み合わせを見た所)

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正面口腔内所見

上顎中切歯部に正中離開を認めます。正中離開部に上唇小帯(*3)が入り込んでいません。
口腔衛生状態は良好で歯の磨き残しや歯肉の炎症、歯肉の退縮は認めません。

*3解説:上唇小帯とは上顎正中部にある歯肉と上唇をつなぐ肉のヒモの様なものです。上唇小帯が左右中切歯の間に入り込んでいると正中離開が引き起こされる場合があります。

左右口腔内所見

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左右口腔内所見 写真1

左右口腔内所見 写真2

横から口腔内を見た所です。
側切歯が左右とも小さく、特に、左側側切歯が小さいことがわかります。
上下の側切歯、犬歯がそれぞれのすき間に楔(くさび)のように入り込んでいます。
奥歯はきれいに噛んでいます。

上顎口腔内所見(上顎を噛む面から見た所)

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上顎口腔内所見

噛む面から見ると小さなむし歯を治療した跡がわかります。犬歯から反対側の犬歯までの間に、様々な大きさのすき間が空いています。

下顎口腔内所見(下顎を噛む面から見た所)

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下顎口腔内所見

噛む面から見ると小さなむし歯を治療した跡がわかります。上顎同様に犬歯から反対側の犬歯までの間に様々な大きさのすき間が空いています。
下顎前歯部の舌側に少し歯石が溜まっています。


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