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ドキュメンタリー矯正治療 / ステップ3

ステップ3 精密検査の結果を分析し、治療方針を決定

精密検査の結果を分析し、口腔内の様々な問題点の整理を行い、その原因を検討します。そして診断を行い、治療目標を立て、治療方針を決定して行きます。

問題点

1. 主訴である上顎前歯部の正中離開を含む上下歯列のすき間
2. 上下前歯の唇側傾斜による口唇の突出感

問題点の原因となるもの(現在の状態がなぜ起きたかということに対する仮説を立てます)

X線写真や口腔内写真から、正中離開を含む上下歯列のすき間は、埋伏過剰歯や上唇小帯の付着異常ではないようです。主な原因としては、歯の大きさが顎の大きさに対して小さく、さらに上下の歯列が唇側に傾斜していることですき間が生じていると考えられます。一般的な矯正治療を希望する患者さんの口腔内は歯がデコボコに並んでいます。これは歯の大きさが顎の大きさに対して大きいために歯が並びきらずにデコボコに並んでしまいます。今回の症例ではその逆が起きていると考えられます。
しかし、原因はこの時点では確定されず、あくまで仮説(蓄積された知識や経験による予想)です。この仮説に基づき治療を進めて行き、予想に反した反応に対しては再度検討しながら治療を進めて行きます。

診断

咬合(上下歯列の相対的な位置関係):中立咬合(上下歯列の位置関係はバランスがとれている)
歯列(顎骨に対する歯列の位置関係):両突歯列(上下の歯列がそれぞれの顎骨に対して突出している、唇側に傾斜している) 空隙歯列(歯列の間にすき間が存在する)
顎骨の位置(頭蓋に対する顎骨の位置関係):下突顎(頭蓋に対して下顎がやや前方に位置する)

参考文献:PDF 診断PDF

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治療目標

主訴に対する改善、症例に対する問題点、その原因、そして診断結果から治療目標を設定します。

治療目標1
上下歯列のすき間を閉じ、矯正治療後も安定する噛み合わせを作る。
治療目標2
上下前歯の後退により、口唇の突出感を改善する。(但し、口唇周囲の軟組織が余っている感じがあるため前歯の後退による口唇の突出感の改善は軽度であるかもしれません)

治療方針

設定した治療目標に対して、負担が少なく(治療期間や抜歯などの外科処置ができるだけ少なく)効率の良い治療方針を作成します。一般的な症例(すき間が無く歯がデコボコに並んでいる症例)では、萌出している歯(口腔内に生えている歯)を抜歯しスペースを確保し、このスペースを利用し歯の位置を移動しきちんとした噛み合わせや口唇の突出感を改善します。今回の症例では、すでにスペースが存在しているため、このスペースをコントロールしながら理想的な噛み合わせを作り出したいと考えています。

  1. 下顎第3大臼歯(親知らず)を抜歯します。
  2. 歯石を除去し、口腔内衛生状態をより良い環境にします。
  3. スタンダードエッジワイズ法により上下顎全ての歯に装置を装着します。
  4. 上顎大臼歯の前方への傾斜が改善されると、上顎歯列は現在より後方に変化すると考えられます。すると下顎歯列は上顎歯列に対し相対的に前方へ位置することになるので、より下顎歯列を後方に移動するような顎間ゴムを使うことが予想されます。
  5. 歯の移動により空隙を側切歯、犬歯間に集めた後上下顎前歯を後退させながら空隙を閉鎖します。
  6. 側切歯は正常な状態に比べ小さいので、レジン(歯科用プラスチック)もしくはセラミックで形態修正します。

治療期間として動的治療期間(矯正装置を装着し歯を動かしている期間)18~25か月、保定期間(動かした歯を安定させる期間)24か月を予定しています。正中離開は矯正治療後の後戻りを起こしやすいので充分に注意して治療を進めて行く必要があると考えています。


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