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インタビュー39/Kさん「上顎左側5番欠損 両突歯列 叢生歯列弓 下後退顎」

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他医院の先生が驚くほど素晴らしい 晝間先生の治療への取り組み

矯正治療を始めようと思ったきっかけを教えてください

小さい頃からむし歯が多く、むし歯が原因で抜歯までしていました。抜歯したあとはブリッジにしていたのですが、今度はブリッジをかけていた歯に違和感を感じ始めました。痛いようなかゆいような状態が続き、もしこの歯もむし歯になっていて進行していたら抜歯ということになるのかもしれない、そうすると歯が2本なくなることになり、部分入れ歯になってしまうかも…と、と自分の歯のことを考えると不安になってきたのです。自分なりに調べてみると、部分入れ歯以外に矯正治療を受けるという方法もあることがわかり、まずは矯正歯科で今の状態を診てもらおうと決意しました。

医院選びはどのようにされたのですか

それまで定期的に歯科医院に通うことはしてこなかったので、インターネットでいろいろな矯正歯科のホームページを見比べ、いいかなと思った自宅近くの3、4軒の医院に行ってみることにしました。実際に足を運んでみると、矯正治療は月に1回、専門の先生が来られる日だけしか治療を受けることができないという医院もあり、それで本当に大丈夫なのかわからず決めることができませんでした。

OPひるま歯科 矯正歯科は、ホームページに歯科衛生士さんが矯正治療を受け、歯並びが改善していく過程がドキュメント風にていねいに紹介されていてとてもわかりやすかったので、カウンセリングに行ってみようと思いました。カウンセリングでは口の中の状態について晝間先生がていねいに説明してくださって、ホームページの印象通りでした。OPひるま歯科 矯正歯科で治療を受けようとほとんど決心をしつつ、他の医院の先生に、「OPひるま歯科 矯正歯科ではこのような説明を受けたのですが、こちらではどのような診療をしてくださるのですか?」と聞いたら、その先生があとずさりしながら、「素晴らしい歯医者さんですね。そこまで取り組んでいるなんて本当に素晴らしい」とおっしゃったんです。他のお医者様がびっくりされるくらい素晴らしい歯科医院なのだということを確信し(笑)、OPひるま歯科 矯正歯科に決めました。

治療についてはどのような説明を受けましたか

詳しい検査の結果、上あごと下あごの骨格的なずれが大きく、上あごに対して下あごが後退しているとのことでした。治療法は、抜歯してワイヤーによる矯正治療も可能だけれど治療期間は約3年と長い時間がかかるということでした。また、ほかの治療法として、外科手術で骨格のずれを治す方法もあるということをお話してくださいました。晝間先生が、それぞれの方法で治療した場合のメリットやデメリットをしっかり説明してくれ「じっくり検討してください」と時間をいただいたので、冷静に考えることができました。どちらの治療法を選ぶか悩んだのですが、外科手術の場合、手術後口の周りに麻痺が残る可能性もあると言われたことが気になり、主人や娘にも相談してワイヤーによる矯正治療を選択しました。晝間先生にワイヤーによる治療を受けることを伝えたら、「どちらかというと大変な症例の部類に入るので、一緒にがんばっていきましょう」と言われとても心強かったですね。

抜歯についてはどう受け止めましたか

もともと左上の5番の歯がない状態だったし、歯並びもガタガタで前に出ていたこともあって抜歯をしないと矯正治療は無理だろうなとわかっていたので、晝間先生から抜歯というお話があったときもすぐに納得できました。上下の歯をそれぞれ4本ずつ、全部で8本抜歯したのですが、最初の1本目がつらかったですね。想像していたより時間がかかって…。先生が力を入れて抜くという感じで圧迫感がありました。抜歯の後もすごく痛いし、口の中は血のにおいがするしで2日くらいはつらかったです。でも、2本目以降はまったく問題なく、2本一緒に抜いてもらったこともありました。

ワイヤーはいかがでしたか

初めてつけてもらった時は、違和感があって痛くて、「やっぱりはずしてほしい」と言いたくなるくらいつらかったです。食事をすると食べ物がワイヤーにからみついてうまく食べられないし、歯みがきが大変になるので、まず間食しなくなりました(笑)。好きなとうもろこしを食べることができなくなったのは残念でしたが、からまりやすいニラやかいわれ大根など細長い野菜を避けたり、むしパンやヨーグルトなど、かまなくても食べられるものを選んだりして、なんとかがんばりました。今思い返してみても、最初にワイヤーをつけてもらってから1週間が、いちばんつらかったように感じます。でも、そのあと1ヵ月、また1ヵ月とたつごとに「つらいな」と思う期間がだんだん短くなっていきました。「矯正治療を始めたんだからいろいろ普段通りにいかないけれど仕方がない。歯並びを改善するには耐えるしかない」と自分に言い聞かせ、がまんしました。

歯並びがよくなってきたことを実感できたのはいつ頃ですか

矯正装置をつけ始めて1ヵ月くらいした頃、上の八重歯がさがって他の歯ときれいに並んでいたんです。うわぁっと思って嬉しくて。まさか1ヵ月で変化が出るとは思っていなかったので驚きでした。年齢を重ねるごとに改善のペースは遅くなるらしいので、若い人だったらもっと早くきれいな歯並びになるのだなと思いました(笑)。このような実感をもてたからこそ、「違和感があってもがまんしてがんばろう」とモチベーションを保つことができたと思います。娘がいつも応援してくれていたのも嬉しかったし、ちょうど同じ時期に甥っ子も矯正治療をしていたのですが、会うたびに「今どこまで進んでいるの?」とお互いに進み具合を見せ合ったりできたのも励みになりました。また、担当の衛生士さんもOPひるま歯科 矯正歯科で矯正治療を受けていて、メンテナンスのたびにマスクをとって「今こんな感じです」と教えてくれました。まわりの人たちが声をかけてくれたことで、孤独を感じることなく治療を進められてとても良かったと思います。

治療を通して、いちばん嬉しかったことはなんですか

やはり、装置がとれてつるつるした自分の歯がきれいに並んだのを改めて見たときですね。家族も「治療をしてよかったね」と喜んでくれたし、職場の方々にも「きれいになったね」と言ってもらえて嬉しかったです。食パンをがぶっと噛んだ時、きれいなアーチの歯形がついたのも感激でした(笑)。OPひるま歯科 矯正歯科では、歯並びをなおすだけでなく、噛み合わせもしっかりみてくださるので、治療前はいつもどちらか片方の決まった場所で噛む癖があったのですが、治療後はそれもなくなり、いいことづくしです。

クリーニングやメンテナンスで、歯に対する意識は変わりましたか

OPひるま歯科 矯正歯科では、歯のメンテナンスの大切さを写真や検査結果などの数値で具体的に教えてくれるので、説得力があります。衛生士さんが歯ブラシの選び方や私の歯に合う歯間ブラシのサイズ、よく磨ける角度などもていねいに教えてくれるのがとても勉強になりました。予防の大切さをじっくり教えてもらったので、毎日夜寝る前に、電動歯ブラシ、歯間ブラシ、フロスと3種類を使ってケアしています。これからも3ヵ月に一度定期的に通い、きれいな歯を保っていきたいと思います。

OPひるま歯科 矯正歯科で治療をしてよかったと思いますか

ひとりひとりに合わせた治療とメンテナンスをしてくれるのがとてもよいと思います。OPひるま歯科 矯正歯科では患者の口の中の特徴をすべて把握し、先生が適切な治療を施し、担当の衛生士さんが管理してくださるのでとても安心できます。それから、ていねいに説明してくださることがよかったですね。最初のカウンセリングでは、私の口の中の状態や考えうる治療法について、1時間かけてお話してくださったんです。我が家は転勤族で全国各地を転々としているのですが、今後引っ越すことがあっても、引っ越し先の近くでおすすめの医院を紹介しますよと言ってくれたことも心強かったです。治療終了まで4年かかりましたが、信頼できる歯科医院にめぐりあうことができて本当に良かったと思います。

上顎左側にブリッジが装着された下顎後退型の骨格性上顎前突
診断名:上顎左側5番欠損 両突歯列 叢生歯列弓 下後退顎

今回は、上顎左側5番をむし歯で失いブリッジを装着しその土台(支台歯)である6番の歯槽骨吸収を伴う骨格性の上顎前突症例であるKさんの症例について解説します。

■初診時 現症および主訴

初診時年齢30代後半で来院。 他院で上顎左側のブリッジの審美的な改善を希望して受診した際に矯正歯科治療を勧められた事をきっかけに、ご自身で矯正歯科を探された結果、当院に来院されました。当院に来院する前にすでに他院の矯正歯科で相談を行っており外科矯正適応の可能性も説明されていました。

顔貌所見

正貌において顔貌の顕著な左右非対称性は認めず、側貌において顕著な下顎の後退感を認めました。口唇閉鎖時の口腔周囲軟組織の緊張感は顕著で前突感も認めました。

口腔内所見

臼歯関係はアングルの分類においてフルクラスIIで上顎6番が下顎6番の前方(近心)に位置していました。上顎前歯部の叢生が顕著で下顎前歯部の叢生は軽度でした。上下顎左右親知らず(8番)は萌出していました。上顎左側5番は欠損していて前後の4番、6番を支台歯としたブリッジが装着されており6番は失活歯で歯槽骨吸収は顕著でした。

初診時X線写真所見

セファロ(頭部X線写真線規格写真)において上下顎骨の前後的ズレを示すANBは+15°を示し、骨格的な上顎前突の傾向を認めました。パノラマX線写真においてあきらかな歯根の湾曲や吸収などは認められませんでしたが、下顎頭の劣成長および吸収を認めました。

初診時唾液検査・歯周組織検査

唾液検査では、歯の磨き残しは比較的少なく、むし歯の原因菌であるミュータンス菌も少ない傾向を認め、その他のリスクも低い事からむし歯のリスクは低いと考えられました。上顎左側6番頬側の歯槽骨吸収や上顎左側5番抜歯による歯槽骨の頬舌的な幅は少ないものの、深い歯周ポケットなどは認めませんでした。

■治療方針

矯正治療単独の方針と外科矯正の2方針を提案し、Kさんと相談して下顎頭の変形がある事などから外科手術後の後戻りのリスクも説明し矯正単独の方針としました。矯正単独の方針では、臼歯関係がアングルフルクラスIIであるため上顎の抜歯部位を右側4番、6番、左側はブリッジを除去して5番、6番、下顎は左右ともに5番、8番としました。動的治療期間は36ヵ月を予定しました。

■動的治療開始時

上顎右側4番、左側ブリッジを切断して6番を抜歯、下顎は左右5番を抜歯して矯正治療を開始しました。

■動的治療終了時

顔貌・口腔内所見

動的治療後の評価では、治療計画通り抜歯スペースにより叢生の改善、上顎左右6番を抜歯したスペースは7番8番の近心移動と前歯の後退により閉鎖されました。下顎の回転は起きなかったものの下顎骨がわずかに後退しました。下顎の後退感に明らかな改善は認められませんでしたが、口唇の突出感や口唇閉鎖時の緊張感には改善を認めました。

X線写真所見

動的治療後の評価では、パノラマX線写真において歯根平行性にあきらかな問題は認められませんでした。デンタルX線写真において前歯部の歯根吸収を認めました。セファロX線写真においても動的治療により下顎骨の回転は認められず、動的治療に伴い上顎前歯が後退し、その結果口唇が後退し緊張感が改善した事が確認できました。

保定期間中の口腔内写真

動的治療前後の比較

■ う蝕(むし歯)と歯周病のトータルリスク比較

う蝕のリスク評価としてカリオグラムを行っています。カリオグラムは、歯科先進国スウェーデンのスウェーデン王立マルメ大学う蝕予防学教室のグンネル・ペターソン博士によって開発され、その予後の妥当性について多くの論文で評価されて信頼度の高いう蝕リスク診断プログラムです。

歯周病のリスク評価としてOHISを使用しています。OHISは歯科先進国アメリカのワシントン大学歯学部教授ロイ・C・ページ先生を中心とした歯周病専門医のグループによって開発されて歯周病のリスク診断プログラムです。

う蝕のリスク比較

う蝕のリスクは初診時「7」→動的治療終了時「6」と大きなリスクの変化はなくリスクの低い状態が維持されました。また、カリオグラムによる1年以内にう蝕を避ける可能性は初診時「72%」→動的治療終了時「72%」の高い状態で安定していました。 むし歯の原因菌のスコアは初診時より上昇しましたが、フッ素の使用や唾液の緩衝能が上昇したことによってリスクがコントロールされていました。

初診時カリオグラム

動的治療終了時カリオグラム

カリオグラムによる「う蝕を避ける可能性」の変化

*う蝕を避ける各リスクは変化しているもののトータルとしてのリスクは変化しなかった

歯周病のリスク比較

歯周病のリスクは初診時「6」→動的治療終了時「5」に変化し減少しましたが、OHISでは病状が初診時「6」→動的治療終了時「10」、リスクが初診時「2」→動的治療終了時「3」に上昇しました。これは、矯正治療により歯がきれいに並んだ事、動的治療終了時のX線写真が初診時より精度の高いものに変わったため歯槽骨の変化が正確に捉えられるようになり、骨の変化がはっきりした事で歯周病のリスクが上昇したと考えられました。

OHISでのリスク変化

PCR、BOP、4mm以上のポケットの比較

・PCR(むし歯と歯周病の原因菌の付着を示す歯の磨き残し)
・BOP(歯周病の原因菌による炎症を示す歯肉からの出血)
・4mm以上の歯周ポケット(歯周ポケットが4mm以上になると歯周病の原因菌による歯槽骨の破壊)

5分間刺激唾液分泌量の比較

考察

本症例はANB15°と骨格的な上顎前突症であり、上下歯列の前後的なズレも大きい症例だったため手術による治療の検討も必要でした。しかし外科手術は入院の負担や後戻りのリスクなども考慮し希望されなかったことで骨格的なズレを残したまま歯並びと噛み合せを改善するために上顎は大臼歯の抜歯が必要になる症例でした。

そして、上顎左側臼歯部にブリッジが装着されていて、本来であれば上顎左側4番と大臼歯のいずれかを抜歯したいところ、既に欠損している5番を抜歯部位とし、失活歯であり歯槽骨の吸収も進んでいる6番を抜歯することで矯正治療後の歯の寿命を長くする事を考えました。左側を6番抜歯としたことで右側も6番抜歯とし臼歯は左右対称の抜歯部位としました。上顎左側は5、6番の抜歯となることで歯槽骨の高さが減少して移動してきた7番の歯肉退縮が懸念されましたが、大きな問題にならず安定した点は予想よりも良い結果と考えられます。

むし歯と歯周病のリスク検査の結果、それほどリスクが高くない症例であったにもかかわらず早い段階で上顎左側5番は抜歯になり、4番と6番は削られてブリッジになり歯の寿命を短くしています。矯正治療により5番の抜歯スペースや将来の脱落リスクが高い6番を抜歯する事ができましたが、依然として治療経験のある歯(削ったことのある歯)は14本あり、今後メインテナンスを行っていったとしても再治療のリスクは高く、その際の負担は大きいものと思われます。Kさんの生涯においてもっと早い時期にリスク検査が行われていれば、このような負担を強いられることはなかったかと思うと残念でなりません。Kさんは矯正歯科治療の相談をきっかけに私たちの考えを理解してくれ、現在では娘さんをメインテナンスに通わせてくれるようになり、お嬢様の永久歯はまだむし歯のない状況を維持しています。これからは、Kさんのお口の中だけでなくご家族のお口の健康を守り、生涯にわたって自分の歯で噛める健康を提供したいと考えています。

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