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インタビュー7/Aさん「上下顎前突・他院での再矯正治療症例」

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「ひるま矯正歯科で再治療できてよかった」

Aさん「ひるま矯正歯科で再治療できてよかった」

最初にひるま矯正歯科に相談に行った経緯を教えてください

自分では歯並びはそれほど悪いと思っていなくて、ほとんど気にしていなかったのですが、社会に出る前に綺麗にした方がいいという親の勧めで、そんなに深く考えずに3軒ぐらい初診相談に行きました。

その一軒がひるま矯正歯科でしたが、歯並びは悪いけれどかみ合わせはそれほど悪くない、でも顎のサイズと歯の大きさが合っていないので、矯正治療をするなら抜歯が必要ですよと言われました。親知らずと上下4番の8本。もともとむし歯もなかったので、健康な歯を抜くのは抵抗があって、非抜歯で治療をしているという他の医院を選んでしまいました。

非抜歯で治療ができるという医院はいかがでしたか

歯を抜かなくても歯並びは綺麗に治りますよと言われて、その時は私も親も抜歯をしなくて綺麗になるんだったらその方がいいと思っていました。でも、最初に説明を受けた先生は途中でいなくなってしまって他の先生に変わり、治療の最初に先生が指示をして、他の女性スタッフが調整し、最後に先生がチェックするという流れでした。

その医院での治療はいかがでしたか

矯正装置が着いている間はまったく気がつかなかったんですが、リテーナーになった段階で、顔の変化に気がつきました。下あごが下の方に伸びた感じで、全体的に顔が面長になっていました。顎のサイズと歯の大きさがあっていなかったのに非抜歯で治療をしたために、歯列が拡大されて、私の場合は前と下の方向に顔が伸びたんだと思います。顔の筋肉と歯のバランスが合っていなかったのも自分でハッキリわかりました。法令線もできやすくなって、口全体も前に突出しているし、見た目がすごく変わってしまったんです。すごくショックでした。でも、歯並びは綺麗になっているんですよね。ヘンな感じでしたよ。口はもともと閉じにくかったけど、さらに閉じにくくなって…綺麗な歯並びになった以外は、すべて悪化したという感じ。久しぶりに会った人にはなんか変わったねって言われたりして…悲しかったです。矯正しなければよかったと何度も思いました。

その後、ひるま矯正歯科に再来院されました

とにかくなんとかしなくちゃと思って、その病院にはもう行くのをやめて、自分なりにいろいろ調べてから、ひるま矯正歯科の質問コーナーで相談をしました。前回相談に行ったときは、まだ前の院長先生だったのですが、今回はちょうど康明先生に変わられる時期で、でも変わらずに丁寧に回答してくださいました。その印象が良かったのと、最初に行った時の歯型や資料があったので、経過もわかってもらえたし、何よりもこういう治療をしたらこうなりますよというのをきっちり説明してくれたので安心でき、再治療をすることに決めました。

やっぱり抜歯は必要でしたか

親知らずは前の医院で抜いていたので、今回は4本抜歯するということ、さらにインプラントアンカーを打って上の歯列を上へ、下の歯列を下へ引っ張るという説明を受けました。ネジを歯茎に入れるのは恐いと思いましたが、本当に丁寧に説明してくださってとてもわかりやすかったし、今回はもうやるからにはきちんとやろうと覚悟を決めて来たので、先生を信じてお任せしました。

再治療はいかがでしたか

装置をつけたら痛いけれど、痛いのは我慢できました。1回やっているので慣れたのかな(笑)。インプラントアンカーは、ブラケットをつけてある程度歯が並んできたところで、上に4つ下に2つ、一気に打ちました。その時は痛かったですね。押されて入ってくるのがわかるし、だんだん痛くなってくるんです。でも時間がたてばまったく痛みはなくなりました。ネジの頭は出ているんですが、そんなに出っ張ってないし、慣れちゃえばまあなんていうことはないですね。でも一度脱落した時に、ネジを引っ張り出そうと引っ張ったら、引っ張っても引っ張ってもまだ出るまだ出る(笑)!! ってビックリしました。結構長いんですよ。

再治療をしてよかったですか

本当にやってよかったです。1回目だけで終わっていたら、後悔をずっと引きずったままでした。金銭面も大変でしたが、親も1回目の矯正で私があまりにも落ち込んでいたのを見て心配していたので、再治療を決めた時は何も言わず応援してくれました。

転院は大変でしたか

時間もお金もかかって本当に大変でした。最初から自分できちんと調べて、医院を決めないとダメだと痛感しました。私がそれでもラッキーだったのは、一番最初にひるま先生に診ていただいていたので元々の資料があったことです。だから思い切って再治療に踏み切ることができました。でも、他の人は転院したいと思っても、通院している医院に資料をもらうのはとても言いづらくて大変なことだし、転院先の医院が本当にいい医院なのか、治療途中から対応してくれるのかを見極めるというのが本当に難しい。

やっぱり不安なことは先生に相談して、納得して始めないといけないですね。前の先生は、質問をしても笑ってはぐらかすという面があって、あれ?ちょっと不安だなあと思いつつ治療を進めてしまったんです。ひるま先生は質問にはちゃんと答えてくださるし、ひとつひとつ納得して進めることができました。医院選びは本当に大事です。転院は安易にお勧めできないので、治療を始める前に調べたり悩んだりしておくというのが大切だと思います。

初診時の診断:「上下顎前突・他院での再矯正治療症例」

現症及び治療開始までの経過

Aさんの治療開始までの経過はやや特別な経過でした。経過を以下に示します。

Aさん16歳:ひるま矯正歯科初診

検査・診断までおこない、上下顎前突(両突歯列)及び叢生歯列により抜歯による矯正治療が必要と診断。
*当時の診断は先代の院長である私の父が担当しました。抜歯が心配と言うことで当院での治療は中止となりました。

Aさん17歳:都内の矯正歯科

都心部の矯正歯科にて非抜歯による治療を約2年半かけておこなう。

Aさん20歳:ひるま矯正歯科再診

非抜歯により歯列が拡大し、口が閉じにくくなってオトガイ部の緊張感も強くなったので改善を希望して再来院。

現症(ひるま矯正歯科再診時の症状)

  1. 上下顎前歯の唇側傾斜及び歯列の拡大による口唇の突出感及び口唇閉鎖時の口唇周囲
    及びオトガイ部の緊張感
  2. スマイル時に軽度のガミースマイル
  3. 大臼歯部開咬
  4. 歯列弓の拡大により叢生は改善されていた

ひるま矯正歯科再診時に記入していただいたアンケート

ひるま矯正歯科アンケート

【Aさん16歳:ひるま矯正歯科初診時の画像】

※以下より画像をクリックすると大きい画像が見れます。

初診時の画像(正面)

初診時の画像(側面)

初診時の画像(側面)

初診時の画像
*初診時は左側面を撮影していたので上記画像は反転処理をしています。

【Aさん20歳:ひるま矯正歯科再診時(非抜歯治療後)の画像】

再診時(非抜歯治療後)の画像

再診時(非抜歯治療後)の画像(正面)

再診時(非抜歯治療後)の画像(側面)

再診時(非抜歯治療後)の画像(側面)

再診時(非抜歯治療後)の画像(上顎)

再診時(非抜歯治療後)の画像(下顎)

歯列の拡大により口唇閉鎖が困難になった状態

軽度のガミースマイル

拡大により大臼歯が遠心傾斜し大臼歯部の開咬

拡大により大臼歯が遠心傾斜し埋伏した状態

診断及び治療方針

非抜歯による歯列の拡大で叢生の改善はされていましたが顎骨の基底部が拡大されている訳ではないので長期的には叢生の後戻りが懸念されました。したがって基本的な診断及び治療方針は初診時と同じ抜歯による矯正治療でスペースを確保し前歯を後退させる方針としました。

ただし、非抜歯矯正の影響により下記2点の問題が新たに生じているので初診時とは異なる対応が必要と考えました。

問題点1:軽度のガミースマイルおよび下顎骨が回転して下顔面が長くなっている。したがって上顎前歯及び臼歯を圧下してガミースマイルを改善しながら下顎骨を反時計方向に回転させ下顔面高を短くする必要がある

問題点2:非抜歯矯正の影響により上下大臼歯が遠心に傾斜して下顎第2大臼歯遠心部は歯肉に埋伏し清潔に保つことが困難になっていた。また大臼歯部が開咬となり咬合が不安定になっている。上下大臼歯を近心に移動かつ整直(咬合平面に対して歯軸を垂直に近づける)し咬合を安定させ、下顎第2大臼歯遠心部埋伏を改善する必要がある

治療方針としては小臼歯の抜歯に加えて、上顎前歯部の圧下用のインプラントアンカー2本、及び大臼歯の圧下用インプラントアンカーとして4本のインプラントアンカーを使用することとしました。
治療期間は30か月と予想して治療を開始しました。

治療結果

治療計画通りに治療を進め、動的治療期間は29か月20日間でほぼ予定通りの期間でした。

インプラントアンカーの使用により大臼歯は圧下され臼歯部の咬合高径が減少し下顎骨は顎関節部を中心とした反時計方向への回転をしました。この結果、下顔面高は動的治療開始時より短くなり、当院初診時(Aさん16歳時)と比較しても動的治療終了時の下顔面高が短くなりました。前歯もインプラントアンカーにより圧下されたのでガミースマイルが改善されました。
抜歯スペースを利用し上下顎前歯を後退し、大臼歯を近心に移動し遠心傾斜と遠心部の埋伏を改善しました。上下顎前歯が後退したこと、下顔面高が短くなったことにより口唇閉鎖時の軟組織緊張感は改善され、口唇を閉じた時に歯がはみ出すことがなくなりました。大臼歯は整直され全ての歯が緊密に咬合し臼歯部の開咬が改善され咬合は安定しました。咬合の安定により咀嚼能率が向上し、5分間刺激唾液が動的治療開始前の7.5mlに対し9mlに増加しむし歯のリスクも減少しました。

【動的治療終了時画像】

動的治療終了時(側面)

動的治療終了時(正面)

動的治療終了時(側面)

動的治療終了時(側面)

動的治療終了時(上顎)

動的治療終了時(下顎)

初診から再診(非抜歯治療)に回転していた顎骨が大臼歯及び前歯の圧下により反時計方向に回転し下顔面高が短くなった(実際のAさんの説明に使用した重ね合わせ)

動的治療終了時(側面)

下顔面高が短くなったこと、前歯部の圧下によるガミースマイルの改善

大臼歯を整直して第2大臼歯まで咬合させた

大臼歯を整直して埋伏を改善

【治療期間中の経過写真】

インプラントアンカーによる前歯・臼歯の圧下

治療期間中の経過(側面)

治療期間中の経過(側面)

考察

多くの患者さんは、Aさんと同様に矯正治療をおこなう際に歯を抜かずに治したいと考えます(非抜歯による矯正治療)。私たち矯正医もできれば非抜歯で治したいと考えていますが、実際の臨床では多くの症例において抜歯が必要で、無理な非抜歯の治療によりAさんと同様の問題が残ってしまうことが多いのです。
 
この様な問題を抱えている患者さんがどのくらいいるか正確な数字は分からないものの、膨大な数に昇ることでしょう。なぜこの様な患者さんが増えてしまうのでしょうか?理由は様々ですが、非抜歯による矯正治療の問題点を患者さんが治療の終了時でないと分からないことを利用して、経営上の利益のために患者さんに耳障りの良い非抜歯による矯正治療に安易に誘導する歯科医の責任が大きいと考えます。
 このインタビューによりAさんの様な思いをされる患者さんが少しでも減少してくれれば嬉しく思います。御自身の辛い体験をインタビューで答えていただいたAさんに心から感謝します。


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