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症例紹介3/Aさん「中立咬合、両突歯列、左側偏位顎」

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症例紹介/Aさん

初診時の診断:「中立咬合、両突歯列、左側偏位顎」

口元⇒口元

Aさんは、上顎の側切歯が先天的に存在せず、そのスペースに犬歯が移動し乳犬歯が残っていること(乳歯の晩期残存)が特徴的な症例でした。その他の問題点としては、下顎骨が軽度に左側に偏位していることで上下歯列の正中がズレており、大臼歯部の咬合関係も左右非対称でした(大臼歯関係:右側Angle class III、左側Angle class I)。側貌では上下前歯が唇側に傾斜(前方への突出)があるために口唇が突出していました。

治療方針としては、乳犬歯の歯根吸収が始まっており近い将来に脱落してしまうこと、人工物は将来的に壊れてしまう可能性が高いことから、乳歯を積極的に抜歯し周りの歯を移動することで歯並びを再構成することとしました。上顎は乳犬歯を抜歯し、下顎は上顎の歯の本数に合わせること、臼歯関係を左右対称にすること、前歯を後退させて口唇を後退させるために第1小臼歯を抜歯し口唇突出感の改善と咬合の安定を得る方針としました。初診時20歳。

歯を動かす動的治療期間を30ヵ月と予定し治療を開始しました。しかし、歯の動きが予想より遅く、臼歯関係のズレを改善するのに時間がかかり約35ヵ月の期間がかかりました。治療結果としては、上下顎前歯が後退し口唇の突出感も改善し綺麗な側貌を得ることができました。また、臼歯関係の非対称性や上下歯列の正中のズレもほとんどなくなり安定した咬合状態を得ることができました。現在は、保定期間中でリテーナーのチェックとむし歯と歯周病予防のためのクリーニング(メインテナンス)をおこなっています。

もし本症例において口唇の突出感や臼歯関係の非対称がなく乳犬歯の晩期残存だけであれば、矯正治療をおこなわずに乳犬歯が脱落した後にできたスペースにインプラントやブリッジなどの人工物を装着し改善することも考えられます。しかし、矯正治療による歯の移動で乳歯の晩期残存を改善したことで、人工物を装着せず安定した咬合を得るだけでなく側貌も改善することができたので適切な治療方針であったと考えます。

治療前- Before –

治療後- After –

中立咬合、両突歯列、左側偏位顎 治療前 写真1

中立咬合、両突歯列、左側偏位顎 治療後 写真1

中立咬合、両突歯列、左側偏位顎 治療前 写真2

中立咬合、両突歯列、左側偏位顎 治療後 写真2

中立咬合、両突歯列、左側偏位顎 治療前 写真3

中立咬合、両突歯列、左側偏位顎 治療後 写真3

中立咬合、両突歯列、左側偏位顎 治療前 写真4

中立咬合、両突歯列、左側偏位顎 治療後 写真4

中立咬合、両突歯列、左側偏位顎 治療前 写真5

中立咬合、両突歯列、左側偏位顎 治療後 写真5


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永久歯の矯正治療(Ⅱ期)の目安

治療内容
オーダーメイドのワイヤー矯正装置で治療を実施します。(スタンダードエッジワイズ法)
治療に用る主な装置
マルチブラケット装置、症状により歯科矯正用アンカースクリューを用いる場合もあります。
費用(自費診療)
約1,280,400円~1,472,900円(税込)
※検査料、月1回の管理料等を含む総額
通院回数/治療期間
毎月1回/24か月~30か月+保定
副作用・リスク
矯正装置を初めて装着後は、歯を動かす力によって痛みや違和感が出たり、噛み合わせが不安定になることで顎の痛みを感じる場合があります。
歯を動かす際に歯の根が吸収して短くなる、歯ぐきが下がる場合があります。
治療中は歯みがきが難しい部分があるため、お口の中の清掃性が悪くなってむし歯・歯周病のリスクが高くなる場合があります。
歯を動かし終わった後に保定装置(リテーナー)の使用が不十分であった場合、矯正歯科治療前と同じ状態に戻ってしまうことがあります。 ・
長期に安定した歯並び・噛み合わせを創り出すために、やむを得ず健康な歯を抜く場合があります。