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ドキュメンタリー矯正治療 / ステップ31

虫歯と歯周病の検査(唾液検査と歯周基本検査)

保定治療期間中は、噛み合せの安定とリテーナーのチェックだけでなく虫歯と歯周病の予防も併せておこなっています。
虫歯と歯周病予防をおこなうためには、虫歯予防の検査として唾液検査により唾液の性状や口腔内の虫歯原因菌の量、歯周病予防としての歯周ポケットの状態や歯肉からの出血についての検査をおこないます。また、虫歯と歯周病予防に共通して重要なことが「歯の磨き残しを少なくする(プラークの蓄積量を減少させる)」ですので、磨き残しを赤く染め出してチェックします。

各検査結果は、リスクの状況に応じて0~3(最もリスクが高い場合スコアは3)までのスコアで評価されます。
なお、当院の虫歯と歯周病予防の検査は、予防歯科後進国の日本にあって世界最高水準で予防歯科中心の診療をおこなう山形県酒田市日吉歯科の検査方法における基準を採用させていただいています。
日吉歯科サイト http://www.hiyoshi-dental-office.org/

虫歯予防の唾液検査(スコアの基準と本症例における検査結果)

1. フッ素の使用状況

診療室と家庭="0"  家庭のみ=”1" 診療室のみ="2" 使用していない="3"
検査結果→フッ素の使用状況 診療室と家庭 =リスクスコア“0”

2. プラークの蓄積量 (赤く染まった歯の磨き残しの割合)

15%以下="0" 30%以下="1" 50%以下="2"  50%以上="3";
検査結果→プラークの蓄積量 17.9% =リスクスコア “1”

3. う蝕経験歯数 (現在までに虫歯になったことのある歯の本数)

0本;"0" 3本以下="1"  5本以下="2" 6本以上="3"
検査結果→う蝕経験歯数 6本 =リスクスコア “1”

4. 飲食の回数

3回以下="0" 4回以下="1" 5回以下="2" 6回以上="3"
検査結果→飲食の回数 5回 =リスクスコア “2”

5. 唾液分泌量(5分間刺激唾液量)

10ml以上="0" 6ml以上="1" 3.5ml以上="2" 3.5ml以下="3"
検査結果→唾液分泌量 9.2ml =リスクスコア “1”

6. 唾液干渉能 (試験紙の変色により判定)

"すぐに青くなる(即青)" ;0  "青" ;1 "緑" ;2  "黄" ;3;

試験紙の変色により判定

検査結果↓ リスクスコア “1”
検査結果

7. ミュータンス菌のコロニー数
(唾液から採取したミュータンス菌を培養し、コロニー(菌の塊)の数からスコアを与える)

ミュータンス菌のコロニー数の検査

検査結果↓ リスクスコア “0”
検査結果

8. ラクトバチラス菌のコロニー数
(唾液から採取したミュータンス菌を培養し、コロニー(菌の塊)の数からスコアを与える)

ラクトバチラス菌のコロニー数の検査

検査結果↓ リスクスコア “0”
検査結果

カリエスリスクレーダーチャート
カリエスリスクレーダーチャート

カリエスリスクスコアの合計 8
*スコアの合計が9を超えると危険度が高いと考えられるので、
現在はカリエス(虫歯)になりにくい環境と言えます

歯周病予防の検査(スコアの基準と本症例における検査結果)

クリックすると拡大写真が見られます


当院の歯周病予防検査の結果表による本症例の結果

当院の歯周病予防検査の結果表による本症例の結果です。

1. 年齢

30歳以下="0"  40歳以下="1" 50歳以下="2"; 年齢 = 50歳より"3"
検査結果=30歳以下 リスクスコア “0”

2. ポケットの深さ(4ミリ以上のポケットが存在する割合)

10%以下="0" 30%以下="1" 50%以下="2"  50%以上="3"
検査結果=0% リスクスコア “0”

3. 歯肉の出血(プロービング時に歯肉の出血 を認めた部位の割合)

10%以下="0"  30%以下="1" 50%以下="2" 50%以上="3"
検査結果=9.5% リスクスコア “0”

4. 全身のリスクファクター

全身疾患=特になし ;"0" 全身疾患=1つあり ;"1" 全身疾患=2つあり ;"2" 全身疾患 3以上 ;"3")
検査結果=特になし リスクスコア “0”

5. 喫煙本数(これまでの生涯喫煙本数)

総喫煙本数 = 0;"0";喫煙 < 100000(10本/1日×3年);"1" ;喫煙 < 200000(100000(20本/1日×3年);"2" ;喫煙 >200000;"3" )
検査結果=540本 リスクスコア “0”

6. リコール

"定期的" ;"0";リコール = "ときどき" ;"1";リコール = "疼痛不快時のみ" ;"2")
検査結果=ときどき リスクスコア “1”

7. 歯周病進行度(全顎的な歯周病進行度平均)

進行度=0;"0"; 進行度 <1;"1";歯周病リスク進行度 <2;"2";歯周病リスク進行度 > 2;"3")
*歯周病進行度とは、各歯における症状に対して下記のスコアを与え平均値を出したもの
0:骨吸収なし 1:歯肉炎(BOP+)もしくは骨吸収歯根の1/3未満 2:骨吸収歯根の1/3以上1/2未満 3:骨吸収歯根の1/2以上

検査結果=進行度1.2 リスクスコア “2”

歯周病リスクレーダーチャート
歯周病リスクレーダーチャート

プラークの蓄積量30%以上 or 4ミリ以上のポケット10%以上 or プロービング時の出血10%以上の場合 →要注意と判定します。
本症例では全ての項目で低い値を示したので,歯周病のリスクは低いと思われます。しかし、歯肉からの出血は9.5%でしたので注意が必要です。

染め出し口腔内写真

磨き残し部分が赤く染まり、3日以上前の磨き残しは紫から青色に染まります。

染め出し口腔内写真 写真1

染め出し口腔内写真 写真2

染め出し口腔内写真 写真3

染め出し口腔内写真 写真4

染め出し口腔内写真 写真5

Dr.ヤスアキのほっと一息

矯正治療の質が最もよく分かるのが、セファロと模型です。

セファロでは顔全体のどこに咬合を作ったか、咬合をつくった時の歯の角度、横顔や口元の変化がよく分かります。

また、模型では矯正治療によって創られた咬合の細かい状態が確認できます。口腔内写真でも確認できそうですが、口腔内写真は2次元の情報であるため上下歯列がきちんと咬んでいる様に見えても奥歯の噛み合せが不安定できちんと噛めていないこともあるのです。模型を作成してみて実際に噛ませると噛み合せが不安定な症例では模型が「ガタツキ」ます。

例えば、下記の写真は今回のドキュメンタリーで解説している模型です。きちんとした噛み合せが作れた症例では模型を写真のように人指し指と親指の2本で挟むように持ってもグラグラしません。しかし、咬合が安定しない模型をこの様な持ち方をするとガタガタして落としそうになります。

今回のドキュメンタリーで解説している模型 写真1今回のドキュメンタリーで解説している模型 写真2

セファロと模型だけで治療の質が全て分かる訳ではありませんが、非常に重要な判断材料であることに間違いはありません。

だから、矯正歯科医は模型とセファロをとても大切にしているのです。
模型とセファロを大切にしている矯正歯科医は信頼できる矯正歯科医と言っても良いかもしれませんね。


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