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ドキュメンタリー矯正治療 / ステップ7

結論 矯正治療の痛みとは

1番の原因は・・・

矯正治療中の痛みは、この二つの原因が絡み合って起きていると考えられます。どちらの原因でも、移動が始まって、ちょっとしてからが痛みのピークになります。治療開始の夜から次の日の夜くらいまでが痛みのピークになって徐々に落ち着いていくのが最も多いパターンです。

でも痛みには個人差があります

痛みの感じ方は患者さんそれぞれで大きく違い、個人差が非常に大きいことが世界中の国々により報告されています。私の治療経験からは、強い力をかけたから強い痛み、弱い力であれば弱い痛みというわけでもないようです。

また性別によっても痛みの感じ方は違うようです。
どちらかと言うと女性は痛みに強く、男性は痛みに弱いようです。ある手術の痛みに対する研究結果でも、『女性は男性に比べて1.5倍の痛みに耐えられる』とされていました。

痛みをより強くしてしまうもの

矯正治療による痛みの主な原因は今までお話ししてきた“炎症反応”“血行障害”だと考えられています。しかし、この痛みをより修飾させる因子(より痛く感じさせる原因)として“驚き”“不安”“ストレス”というものがあります。

矯正治療を始めると、痛みが出てきます。そして、この痛みは矯正治療が初めての人であれば、初体験の痛みです。誰でも、初めての挑戦をする時は不安でドキドキしますよね。このドキドキが痛みを修飾(痛みをより強く感じさせる)してしまいます。

実際に患者さんからお聞きする不安は『何この痛み?経験したことがないよ!(驚き)』『いつまで続くの?もしかしたらずっと続くの?(不安)』『この痛みについて説明を受けていないよ!矯正装置に慣れていないから煩わしいよ!(ストレス)』などにより不快感が増し、より痛く感じてしまう場合が多いようです。

“炎症反応”と“血行障害”歯矯正治療を行う上で仕方のない痛みですが、痛みの修飾因子は治療前の説明などによりある程度少なくできるものと考えています。

ひるま矯正歯科ではどの様に対応しているのでしょうか?

ひるま矯正歯科では、痛みの変化やその対応について十分な説明をすること、痛みが出てしまっても電話やメールで対応することで、できるだけ患者さんの不安を取り除き、痛みが最低限で済むように努力しています。
また、装置に慣れるまでは頬の内側を噛んで口内炎を作ったりしてしまいます。そんな時のために、装置を覆い、粘膜を傷つけないようにするガードワックスなどを差し上げています。

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ワイヤーを通すためのチューブが頬の粘膜を傷つけ易い ガードワックスを装着し出っ張る部分をガード

<結論>

矯正治療の痛みは必ず落ち着きます。また、慣れてしまえばそんなに辛くありません。

ドキュメンタリー矯正治療の痛みの変化は?

ではこのドキュメンタリーの患者さんにも同じような痛みが起こっているのでしょうか?
・・・本人に確認しました。

他人の痛みを確認することは難しいですよね。痛みは、人それぞれ基準が違うので、比較するのが困難です。

例えば、お料理の最中に包丁で指を切ったとします。手を切ったのが小さい子だとすごく痛くて涙が出るくらい辛く、大騒ぎと言うことになるかもしれません。
逆に、いつもお料理をしていて手を切ることがしょっちゅう(?)のお母さんだと、泣いて大騒ぎすることもなく絆創膏を貼っておしまいではないでしょうか。

このように、痛みはその人の持つ痛みに対する経験や年齢、性別によって感じ方が違うものです。

そこで今回は痛みを他の人と評価する方法としてVAS(Visual Analogue Scale)という手法を使いました。この方法は痛みに対する科学的研究に、多く用いられている方法です。
具体的には100mmの直線を引き、この直線上でまったく痛みのない状態を0mm、想像しうる最大の痛みを100mmとして現在の痛みの程度を直線上に表します。そして患者さん自身に、現在の痛みがスケール上のどこにあるかを示してもらうことで、痛みを評価する方法です。今回は、このスケールを10段階にし、本人に数値を書き込んでもらいました。

http://www.emec.co.jp/hareruya/vol3/vas.html

結果は、以下の通りでした(実際に本人に書いてもらったものに、実際のコメントを加えました)。

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VAS(Visual Analogue Scale)による結果の記録VAS(Visual Analogue Scale)による結果の記録

装置をつけた直後の本人は“まだ痛くないです”と言い、VASの値は2でした。
そして、翌日の朝、話を聞くと“眠れませんでした(ちょっと私をにらんでました(^^;)”VASの値は8でした。
装置装着日の夜が痛みのピークとなり、5日目にはほぼ痛みも消えていたようです。
これは矯正治療開始後の痛みに関する大規模な研究とほぼ同様な結果なので、多くの患者さんが経験する痛みの変化と考えて良いと思います。
もしかすると、矯正歯科に詳しい歯科衛生士なので“驚き”“不安”“ストレス”が少なかったためにVASの値も少なめかもしれません。

Dr.ヤスアキのほっと一息

矯正治療に伴うこの痛みは、防ぐ方法はありますか?

残念ながら痛みを完全に防ぐ方法はありません。筋肉痛や肩凝り痛を確実に防ぐ方法がないのと同じです。
痛みを軽くする方法として、ひるま矯正歯科で行っている方法は3つあります。

1.スプーン一杯の食塩を、ぬるま湯に溶かして食塩水を作りうがいをする。
食塩水でうがいをし、口の中全体に食塩水が行き渡るようにする。すると、ちょっとした矯正治療の痛みは落ち着きます。
これは、食塩水を口に含むことで、お口の中の浸透圧が変化して痛みを和らげると考えています。最もお金もかからず、簡単な方法なので1番のお勧めです。

2.音波歯ブラシで歯と歯茎の境目、歯茎全体をマッサージする。
音波歯ブラシは、プラーク(歯の表面に付着した細菌の塊)を落とす効果が高いだけでなく、音波の振動によるマッサージ効果も高いのです。このマッサージ効果を利用し、歯だけでなく歯を支えている歯肉全体に音波歯ブラシをあてます。すると最初はくすぐったいのですが、慣れてくると気持ちよくなり、歯の痛みも和らぎます。音波歯ブラシを持っている方にはお勧めです。

3.鎮痛剤を飲む。
上の二つの方法でも痛みが強く、仕事や勉強に差し障りがある場合には鎮痛剤を服用する方法もあります。しかし、痛み止めは常用すると習慣化しやすく、胃の粘膜にも負担をかけるのであまりお勧めしていません。


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