初診時の診断:「叢生、上下顎前突(両突歯列)」
Sさんは歯並びと噛み合せの改善を主訴に来院されました。症状は顎の大きさに対して歯が大き過ぎることが原因で前歯のデコボコ(叢生)と上下顎前歯が前方に突出する上下顎前突(両突歯列)を認めました。特記事項としては上顎右側中切歯(1番)をぶつけて欠けてしまっておりプラスチックで形態修正されています。初診時23歳。
治療方針は、上下左右第1小臼歯(4番)と親知らずを抜歯して顎骨内にスペースを作り、そのスペースを利用して叢生を改善、さらに前歯を後退させて口元の突出感を改善するとしました。治療予定期間は30ヵ月でしたが治療途中に大臼歯のズレが出てきてしまい38ヵ月かかってしまったことが反省点です。しかし、上下顎前歯は最大で10ミリ後退し口元の突出感やオトガイ部の緊張感が改善しています。リテーナーになってからホワイトニングをおこない、変色した1番のプラスチックを修復しなおしました。
治療前
– Before –
治療後
– After –
治療前
矯正治療後
再修復 ホワイトニング後
永久歯の矯正治療(Ⅱ期)の目安
- 治療内容
- オーダーメイドのワイヤー矯正装置で治療を実施します。(スタンダードエッジワイズ法)
- 治療に用る主な装置
- マルチブラケット装置、症状により歯科矯正用アンカースクリューを用いる場合もあります。
- 費用(自費診療)
- 約1,280,400円~1,472,900円(税込)
※検査料、月1回の管理料等を含む総額 - 通院回数/治療期間
- 毎月1回/24か月~30か月+保定
- 副作用・リスク
- 矯正装置を初めて装着後は、歯を動かす力によって痛みや違和感が出たり、噛み合わせが不安定になることで顎の痛みを感じる場合があります。
歯を動かす際に歯の根が吸収して短くなる、歯ぐきが下がる場合があります。
治療中は歯みがきが難しい部分があるため、お口の中の清掃性が悪くなってむし歯・歯周病のリスクが高くなる場合があります。
歯を動かし終わった後に保定装置(リテーナー)の使用が不十分であった場合、矯正歯科治療前と同じ状態に戻ってしまうことがあります。 ・
長期に安定した歯並び・噛み合わせを創り出すために、やむを得ず健康な歯を抜く場合があります。