━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 2013.03 vol.32 ━━
矯正歯科専門医院からのお便り
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こんにちは。
ひるま矯正歯科『ひるまだより』編集部です。
2005年に産声をあげた『ひるまだより』が50号を迎えました。
2ヵ月に1号、途切れることなく発行することができ、とても嬉しく思います。
今回の『ひるまだより』は、50号記念特別号として、ひるま矯正歯科院長と
前院長が、これまでの思い出と、これからのひるま矯正歯科について
記事を書いています。ぜひホームページからダウンロードしてご覧ください。
東京の桜は早くも満開を迎え、季節が移り変わっていきます。外出するのが
楽しくなる季節ですね。元気よく過ごしましょう!
★『ひるまだより』はこちらからダウンロードできます。
https://www.hiruma.or.jp/html/newsletter_top.htm
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■ もくじ
□ 特集 患者さんインタビュー18
「仕事に支障なし!新しい経験で面白かった」
□『ひるまだより』50号発刊に寄せて
ひるま矯正歯科前院長・晝間登喜男
□「これまでの ひるまだより と これからの ひるま矯正歯科」
院長 晝間康明
□ ひるま矯正歯科からのお知らせ
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■特集 患者さんインタビュー18
「仕事に支障なし!新しい経験で面白かった」
◎Oさんへのインタビューの内容をダイジェスト版でお届けします。全文は
ホームページでご覧ください。
https://www.hiruma.or.jp/html/interview/interview18.htm
◆矯正治療を考え始めたのはいつですか。
◇20代の終わりごろに親知らずを抜歯したあと、噛み合わせが変わったのか
違和感を感じるようになったのです。通訳の仕事をしているのですが発音が
変わった気がして。周りの人には以前と変わらないと言われましたが、自分
ではどうしても気になってしまい矯正治療をすることにしました。
◆治療方針を聞いていかがでしたか。
◇インプラントアンカーを使った方が効果が高いということを聞いた時には
恐怖感がありましたね。晝間先生の説明では、前歯を後ろに移動させていくの
に奥歯を固定しておかないと奥歯も前に移動してしまうので、インプラントア
ンカーで奥歯を後ろに引っ張っておくというようなことでした。とにかく骨に
ネジを埋め込むというのがこわかったですね。
◆矯正装置がついて、仕事への支障などはありましたか。
◇それをとても心配していました。最初のうちはワイヤーが引っかかること
がありましたが、特に影響はありませんでしたね。発音も以前通りにできてい
ました。
◆治療で大変なことはありましたか。
◇装置をつけてから2ヵ月ぐらい、ずっと口内炎が続いていました。晝間先
生に相談したのですが、装置とかワイヤーのせいもあると思うけれど、食生活
や疲労などの違う原因もあるかもしれないねと仰ったんです。
それを聞いてハッとしました。もし生活習慣に気をつけていたら口内炎になっ
てもすぐに治るんですよね。健康に気をつけるようになると、口内炎もできな
くなりました。相乗効果なんじゃないかなと思います。
◆実際にインプラントアンカーを打ったときはどうでしたか。
◇そのころにはずいぶん矯正治療に慣れていたので、こわいけれど、やって
みたいというふうに気持ちは変わっていました。打つときも痛みはなくその後
も気になることはありませんでした。
こんなに小さいのに、奥歯をガッチリ固定して、やっぱりやるとやらないじゃ
全然違うんだな、やって良かったと後から思いました。
◆ひるま矯正歯科で治療をしてよかったですか。
◇とてもよかったです。矯正治療に関しては痛みや不便なこともあるけれど、
それらもすべて新しい経験なので面白かったなというのが感想です。
私の場合は、歯並びが悪いというのはコンプレックスだったのかな、装置がつ
いたら開き直ったという思いがあって、人との関わり方も変わったような気が
します。なにごとも思い切ってやってみてよかったなと思っています。
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【解説 — 院長・晝間康明】
※ホームページでは写真つきでわかりやすく解説しています。
ぜひご覧ください。
https://www.hiruma.or.jp/html/interview/interview18.htm
●初診時の診断:「中立咬合、両突歯列、叢生歯列、下後退顎」
■ 現症
【主訴】
歯ならび、かみ合わせ、発音の改善。特にここ数年強くなってきた前歯の傾斜
の改善。
【顔貌所見】
上顎骨に対して下顎骨が後方に位置し、オトガイ部の後退感が強い傾向を認め
ます。前歯の唇側傾斜、及び口唇周囲軟組織に対して下顔面高が長い事で口唇
の突出感及び口唇閉鎖時の緊張感を認めます。
【口腔内所見】
骨格の影響により上下顎歯列の前後的な位置関係にズレがあり、上顎歯列に対
して下顎歯列がやや後方に位置していました。大臼歯関係は左右ともにAngle
class IIの咬合関係でした。 叢生は軽度に認められ、咬合平面の湾曲(curve
of Spee)も認められました。
一般歯科的所見では失活歯は存在しないものの多数の修復歯を認め、歯肉の腫
脹や歯肉の退縮を認めました。う蝕経験歯数(DMF)は12本、口腔衛生状態は歯
の磨き残しを示すPCRは34.3%、歯周病の進行状況を示す歯肉からの出血
(BOP)は13.6%、唾液検査によるう蝕のトータルリスクは14、歯周病のトー
タルリスクは9とう蝕・歯周病のリスクが高い状態でした。歯面には隣接面を中
心にプラークが付着し、大臼歯により広い範囲のプラークが付着し歯と歯肉の境
には炎症による発赤を認めます。
【特記事項】
全身的な疾患や顎関節症などはありませんでした。
■治療方針
両突歯列・叢生歯列を伴う上突咬合と診断し、上下顎左右第1小臼歯の抜歯によ
り顎骨内にスペースを確保し、叢生、curve of Speeの改善および前歯の後退に
よる口唇閉鎖時の突出感および緊張感の改善も治療目標としました。
前歯を最大限後退させるために加強固定としてインプラントアンカーの使用を
診断時に説明し、最終的に使用するかどうか矯正治療開始後に希望を確認する
事としました。
治療に伴う問題点として、成人の矯正治療であり既に歯肉退縮を認める事から
歯肉退縮が進行しブラックトライアングルが大きくなる可能性を説明しました。
唾液検査によりう蝕と歯周病のリスクが高い事がわかり、矯正治療開始前の初
期治療として徹底したPMTC、歯石除去、ブラッシング指導によるバイオフィル
ムの破壊、フッ素の使用を行いPCR30%以下、BOP0%の状態になってから矯正
治療を開始する事としました。
矯正治療開始後も毎回のワイヤー調整に合わせてPMTC、スケーリングによる
歯石除去を行い、う蝕と歯周病の原因菌によるバイオフィルムを除去して予防
を徹底して行う事としました。
■動的治療開始時
初期治療により歯の磨き残しおよび歯肉からの出血が減少したので抜歯を行い
矯正治療を開始しました。
■ 治療結果
【動的治療期間】
動的治療期間は約30ヵ月でした。調整回数は32回、平均的な来院間隔は0.9ヵ月
で遅刻やキャンセルも無く治療に対して非常に協力していただけました。
【顔貌所見】
小臼歯の抜歯により上下顎前歯が後退した事で上下口唇の突出感および口唇
閉鎖時の緊張感が改善し側貌においてElineの内側に上下口唇が入るバランス
の良い側貌を得る事が出来ました。
【口腔内所見】
上下顎左右の臼歯関係はAngle class Iになり左右の臼歯関係は対称になり、
curve of Speeも改善され咬合平面は平坦化し全ての歯が効率よく接触できる
状態になりました。下顎左側第2小臼歯(左下5番)の歯肉退縮が進み歯根が
露出してしまいましたが歯の動揺などは認めませんでした。
上顎左側側切歯(左上2番)は動的治療期間中に打撲により変色していますが
電気歯髄診では生活反応を認めるため歯髄に対する処置は行っていません。
インプラントアンカーは動的治療終了時の検査で問題の無い事を確認した後に
除去しました。
【X線写真所見】
パノラマX線写真所見では、明らかな歯根吸収などを認めず歯根も平行に配列
されています。左上2番根尖部に透過像、左下5番近遠心歯槽骨吸収等も認めま
せんでした。
セファロX線写真の重ね合わせにより上下顎前歯が後退し上下口唇の突出感が
改善し側貌における硬組織と軟組織のバランスが改善した事を確認できました。
【唾液検査比較】
初診時、初期治療後の再評価時、動的治療終了時の比較を行いました。治療開
始前は、う蝕・歯周病ともにリスクが高かったものの初期治療によりリスクは
減少し、動的治療期間中も毎回メインテナンスを行い、フッ素洗口を行った事
でう蝕のトータルリスクは14→9、歯周病のトータルリスクは5→3に減少しました。
歯肉からの出血を示すBOPは13.7%→0.7%に減少し歯周組織の炎症はコントロ
ールされている状態でした。歯の磨き残しを示すPCRは初診時34.3%→再評価時
12.1%→動的治療終了時25%と初期治療に減少した値が動的治療後に増加して
しまいましたが再度初期治療やTBIを行う事で減少しています。
■ 考察
本症例は、上下顎前歯の唇側傾斜により口唇の突出感と口唇閉鎖時の緊張感が
顕著な症例でした。成長期にある患者さんの場合、前歯を後退させる事で顕著
に口唇の突出感が改善されますが、本症例のように成長が終了した成人症例で
は改善度合いが小さくなる事がしばしばあります。そこで、インプラントアン
カーを利用して前歯を最大限に後退させる事で口唇の突出感および緊張感を改
善する事ができました。
また、Oさんはプロの通訳であり発音に対してシビアな職種でした。歯並びが
良くなる事はOさんの発音に良い効果があると予想していましたが、歯並びが
良くなる途中の矯正治療が悪影響を及ぼさないか若干の不安がある状態での治
療開始でした。しかしこのインタビューで、Oさんの努力による部分が大では
あるものの、矯正治療がお仕事に悪影響を与えず終了できてホッとしています。
一方、成人症例で予測が難しいのが歯周組織の変化です。初診より歯肉の退縮
や歯周炎を認めていた事から前歯部の歯肉退縮によるブラックトライアングル
はある程度予想していたものの、左下5番の歯肉退縮は初診時に顕著な症状も
認めなかったため予想していませんでした。頬側以外の歯槽骨吸収は認めない
ため動揺などは無く機能的には問題ありませんが、今後もメインテナンスを継
続し歯肉退縮が進行しないように注意深く管理していきます。
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■『ひるまだより』50号発刊に寄せて
ひるま矯正歯科前院長・晝間登喜男
『ひるまだより』の創刊は、診療室が今の場所に移り実質的な診療が晝間康明
・現院長中心の体制に替った改革の一環として企画されたものでした。爾来、
隔月年6回の発行を休むことなく続け、今回の50号までに8年の歳月が流れま
した。創刊から26号まで紙面作りに深く関わった者にとって記念すべき50号の
発行は感慨深いものがあります。
◇質問コーナーを紹介したいと『ひるまだより』創刊へ◇
『ひるまだより』を創ることになったそもそもは、ホームページ上に設けた質
問コーナーの反響が大きく、矯正治療に関する質問とその回答が蓄積していく
中で、当院の宣伝もかねて患者さんにもこれらの知識を提供してはどうか、と
いうのがきっかけでした。
2002年に始まったこのコーナーには開設当初から次々に質問が寄せられ、
担当していた2008年末までに質問は900件を超え、そこでやり取りされ
た質問と回答の数は3500回にまでなりました。
一つ一つのスレッドにはドラマがあり、スレッドが閉じた(解決した)ときに
は、一話の短編小説が完結したような達成感さえ感じました。
しかし、この質問コーナーの内容を『ひるまだより』へ載せるには、伝え切る
十分な紙幅が取れなかったことや、投稿者のプライバシーの問題もあって早々
にとりやめになりました。質問コーナーへの回答や追加の回答書きに追われて
送信が深夜になることもありましたが、それでも回答し続けたのは、投稿者か
らの「ありがとうございました。解決済!」の返信をいただいた時の喜びと満
足感に励まされたからです。
質問コーナーには記憶に残るエピソードや後日談がいくつもあります。あると
き診療室に立派な包装の高級果物が送られてきました。送り主は遠く離れた某
県の女性からで、質問コーナーが縁で当院に直接相談に見えたことのある方で
した。相談の内容は、ある医院での治療結果に対する不満と先生への不信で、
口の中を診ると一見して〈いけない治療方針による結果〉とわかるケースでし
た。話を聞くにつれ、治療した歯科医のいい加減さや悪徳ぶりに義憤を感じ、
その女性には法的手段などいくつかの方策を示し、出来るかぎり協力すること
を伝えて話を終えました。
その後何度かメールと電話でのやりとりがあり、やがて連絡が途絶えてからほ
ぼ一年、届いたのがその果物でした。包みの中には手紙が入っており、「歯科
医師会の担当医が事情をよく理解し親身になって一緒に交渉してくれたお陰で、
これまで支払った費用の全額と慰謝料を加えた相当額を得たこと」、そして
「筆者が紹介した矯正歯科医のところで改めて矯正治療を始める」旨が書かれ
ていました。スタッフ達と果物をいただきながら、これからまた時間をかけて
矯正治療をやり直す患者さんのことを思うと、気持ちは複雑でした。
◇疑問や悩みに応えることも専門医の使命◇
2009年から質問コーナーの回答は康明・現院長に代わりました。その前年に筆
者が受けた質問(#3443)の投稿者は、悩みが解決したことを述べた後「また
質問するかもしれないので、〈解決済!〉は保留にさせて下さい」と書き、
スレッドはやがて過去ログの中に埋もれていきました。それから4年が過ぎた
昨年6月、そのツリーに投稿(#3923)がありました。「つい先日矯正装置から
リテーナーに変わりました。長い間保留してまいりましたが〈解決済!〉とさ
せて頂きます。」
その投稿に対し回答者の康明・現院長は、「以前の質問で回答した前院長の父
は引退しましたので、私が代わってお返事させていただきます。(中略)これ
からも父同様に多くの方の力になれるように質問コーナーを続けます」と書い
ています。
これほど多くの投稿が寄せられるとは想像もせず始めた質問コーナーでしたが、
質問に答えているうちに、疑問や悩みにできるかぎり応えることも専門医の一
つの使命と思うようになりました。
その精神を引き継ぎながらこの質問コーナーが今なお連綿と続いていることを、
かつての担当者として誇りに思います。
◇単身、宮崎県都城市へ!◇
『ひるまだより』26号(2009年3月発行)の冒頭で、その年3月をもって、ひる
ま矯正歯科を退職すること、そして4月から宮崎県都城市の歯科衛生士専門学校
に赴任することを書きました。生まれてこの方単身生活はおろか、三度の食事
はもとより掃除洗濯等家事一切を人任せで生きてきた男が、見ず知らずの土地
で単身この歳で生活するなどとても無理。まず3ヵ月ももてば上々、すぐにも
戻ってくるのがせいぜいだからやめなさい、というのがほとんどの人の意見で
した。
それでも赴任の気持ちは変わらず結果として丸3年、慣れない単身生活に四苦
八苦しながらも学校長の職務を勤め、昨年春、別れを惜しみ惜しまれつつ都城
を離れ東京の生活に戻りました。
無理といわれながら、それでも歯科衛生士学校への赴任を翻意しなかったのは、
〈予防〉に対する関心の高まりからでした。2000年、厚生省(当時)は21世紀
の国民健康づくり対策の一環として〈健康日本21〉運動を提唱。これを契機に、
日本の医療は治療中心から予防重視に大きく舵を切りました。健康や長寿に対
する世間一般の関心も高くなり、メタボやアンチエイジングの用語が流行語大
賞の候補にまでなりました。ちょうどこの時期、頼まれた講演の準備の中で
〈矯正治療は予防医療であること〉を再認識したことに加えて、康明・現院長
の歯科衛生士を活かした予防中心の新しい診療体系を目の当たりにして、以来
〈長寿–健康–生活習慣–糖尿病–歯周病–誤嚥性肺炎–予防–口腔清掃–歯科衛生
士〉という、単語の連鎖が頭の中を巡るようになりました。
◇新校舎と青い山脈、男子便所◇
都城での3年間を振り返ると、〈ひとり長い旅をしていた〉というのが率直な
感想です。東京・豊洲港から車をフェリーに乗せ、2日後羽田から朝一番で北
九州に飛び、門司港で車を受け取ってから450キロを疾走して都城へ。当座
必要なものだけを車に積み、後はすべて現地調達という引越しだったため、到
着から初出勤までの5日間は目の回るような忙しさでした。着任したのは宮崎
県内で2校目となる歯科衛生士専門学校。前年に建設された校舎はまだ真新し
く、校長室の厚い扉を開けて中に入ると窓の外には大きな青い空と遠くに山並
みが見えて、思わず「青い山脈の世界だな」と呟いたものです。
校長室を出た所がトイレ、ふとプレートを見ると〈男子便所〉、何! 便所!?
新校舎の中にいまや死語に近い便所の文字、随分遠くに来たんだと実感した
瞬間でした。校長として最初に手がけた仕事はまずプレートを書き換えてもら
うことでした。都城では一日一日がインシデント(出来事)で話の種には事欠
きませんが、紙面に限りがあるので掲載の写真をご覧いただきながら、当地で
の生活ぶりを想像していただくことにします。
◇そして、東京へ 老夫婦と老犬の穏やかな生活◇
単身で赴任するかぎりは迷惑を掛けないよう、主要な器官のレントゲン、CT
さらに心電図から大腸の内視鏡検査まで、出来るだけの検査を受けて臨んだ‥
‥はずでしたが、赴任から5ヵ月ほど経ったある日、自覚症状のないまま尿に
血が混じっていることに気づき、日ごとに鮮明になるため専門医院を受診した
ところ膀胱癌が見つかりました。一時的に東京に戻り手術、回復を待って校務
に復帰したものの、この癌の特徴である易再発性(再発率70%)につかまり翌
年に再発、再手術。その翌年もまた再発して再々手術となったため、学校への
迷惑を考えて退職を決めました。
東京に戻ってから約一年、執拗に再発を繰り返した癌はおとなしくなり、昨年
は四年ぶりに入院・手術のない一年になりました。引退したいま、ともに髪が
白くなった老夫婦と老犬の三人(?)は、それぞれ年相応の身体の傷みは抱え
ながらも、特に悪いところもなく日々穏やかに暮らしています。これからもひ
るま矯正歯科の発展とともに『ひるまだより』がますます充実し、号を重ねて
いくことを祈りながら筆を措きます。
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■「これまでの ひるまだより と これからの ひるま矯正歯科」
院長 晝間康明
◇これまでの『ひるまだより』◇
『ひるまだより』は前院長である父と創刊しました。私は医局員時代から「矯
正歯科治療を患者さんに正しく理解してもらうためには、矯正歯科医が口腔内
写真やイラストを使いながらわかりやすい言葉で解説する必要がある」という
思いがあったので、当時勤務していた衛生士Kさんの治療経過を通して矯正歯
科治療の基本を解説する「ドキュメンタリー矯正治療」の連載を担当しました。
連載中は治療開始前の患者さんだけではなく、治療中の患者さん達にも興味深
く読んでいただけたようで「今アンテリアリトラクションだから治療も後半で
すよね」など専門的な質問を頂く事もありました。
また、他の歯科医院の医師や衛生士さんからも「詳しく書いてあって面白い」
「勉強になる!」と褒められる事がよく(稀に?)あったので大変だったので
すが治療完了まで報告し29号で完結しました。
30号からは松原先生による「fromデータ」の連載を開始。当院で行っている科
学的根拠に基づく治療(EBM)をより多くの患者さんに理解していただくために、
予防歯科に関する論文をわかりやすく解説していただきました。例えば当院で
毎回行っている「PMTC」や「フッ素洗口」は、これらの研究結果から診療シス
テムに取り入れています。
32号からは当院で治療を終えられた患者さんのインタビューを行い、治療体験
を報告、さらに治療前後の口腔内写真やリスク検査結果などを私が解説してい
ます。当初「インタビューは恥ずかしくて」と断る患者さんも多かったのです
が、現在では「自分も参考になったので協力します」と言っていただける患者
さんが増えて嬉しい限りです。45号からは布田花子先生の「Under20」が連載
中です。引き続きご愛読よろしくお願いします。
◇これからの ひるま矯正歯科◇
ひるま矯正歯科の歯科治療は、父がスタンダードエッジワイズテクニックを元
に築いた矯正歯科治療と私が新潟大学矯正歯科で学んだ矯正歯科治療を融合し
歯を正確に動かして安定した咬合と美しい口元を創る矯正歯科、そして山形県
日吉歯科の熊谷先生に指導していただいたメディカルトリートメントモデル
(MTM)により虫歯と歯周病のリスクをコントロールする予防歯科が基礎となっ
ています。
この診療システムにより患者さんの健康を生涯にわたり守る「患者さんと〈ト
モニアユム〉歯科医療」がひるま矯正歯科の目標です。
2006年10月から当院で治療をされた全ての患者さんにMTMを実施し、永久歯の
矯正歯科治療前後の虫歯と歯周病のリスクを比較したグラフを掲載しました。
(ホームページでご確認ください
→https://www.hiruma.or.jp/html/newsletter/news50_1.pdf)
この結果からもMTMにより虫歯と歯周病のリスクをコントロールして矯正歯科
治療を行うと、治療開始前に比べて虫歯と歯周病のリスクを減少できる事が
わかります。当院では数年のデータしかありませんが、日吉歯科のMTMでは
20年以上のデータがありリスクコントロールする事で歯を長持ちさせる事が分
かってきているので、当院でも同様のシステムを継続する事で歯を長持ちさせ、
老人になっても美味しく食事ができて元気な生活ができ、私たちの目標である
「患者さんと〈トモニアユム〉歯科医療」に近づけると確信しています。
これらのデータは定期的に発表し、予防歯科や矯正歯科に対する患者さんの理
解、まだこのような歯科医療がある事を知らない患者さんへの情報提供に役立
てたいと思っています。
特に私が危険に感じているのはインターネットにより今まで患者さんが知る事
の出来なかった歯科情報が手に入るようになったものの、偏った情報が多く、
患者さんはミスリードされ歯を長持ちさせる事が出来ない治療や効果の低い治
療を受ける危険にさらされている事です。一方で質の高い情報を提供し続けれ
ば患者さんはきちんと理解し自身で正しい判断をしてくれると感じているので、
今後もわかりやすく客観的な情報を提供していきたいと考えています。
さらにこれから予防歯科を行う矯正歯科医や衛生士が少しでも増えるように歯
科医療関係者にも情報を提供していきます。ひるま矯正歯科は、これまでの矯
正歯科を虫歯と歯周病予防ができるこれからの矯正歯科に変え、多くの患者さ
んを健康にしていくために患者さんと〈トモニアユム〉歯科医院としてこれか
らも歩み続けます。
日吉歯科診療所http://www.hiyoshi-oral-health-center.org
日吉歯科MTM長期データhttp://www.hiyoshi-oral-health-center.org/appraisal/
※今号は記念特別号のため布田花子先生の連載「Under20」は休載しました。
次号をお楽しみに!
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■ ひるま矯正歯科からのお知らせ
◆ご予約は、お電話またはホームページから受け付けています◆
フリーダイヤル:0120-025-559
初診受付ページ:https://plus.dentamap.jp/netuser/?id=37
◆ホームページをご覧ください◆
キャンセルによる予約の空き状況を当院ホームページとTwitterでお知らせ
しています。
twitter:http://twitter.com/#!/hirumac
ホームページ:https://www.hiruma.or.jp
◆あなたの矯正治療体験を聞かせてください◆
ひるま矯正歯科で治療中または治療を終了された方で取材にご協力いただける
方を募集しています。
● 取材は30分~40分程度、ひるま矯正歯科で行います。
● 取材内容:矯正治療を始めた理由、ひるま矯正歯科を選んだ理由、矯正治
療中、大変だったことなどなど。ひるま先生の面白エピソードなどお持ち
の方は大歓迎!! 『ひるまだより』編集部が取材させていただきます。
● 掲載媒体:ひるま矯正歯科ニュースレター『ひるまだより』・ひるま矯正
歯科ホームページ
● 掲載内容:インタビュー記事、担当医師による症例解説・写真(治療風景
・スタッフとの記念写真・症例写真など)
ご協力いただける方は、お電話かメールでお知らせください。ご協力よろしく
お願いします。
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■ 編集後記
今回インタビューに応じてくださったOさんは、通訳をされているので、矯正
治療に対する不安の多くは、装置の装着によって発音が変わってしまわないか
ということでした。結果的に仕事に影響はなかったとのことで安心しました。
Oさんは、治療も新しい経験として、楽しみに変えてしまえるとてもポジティブ
な素敵な方でした。ぜひホームページで全文を読んでみてくださいね。
さて『矯正歯科専門医院からのお便り』次号は2013年5月末ごろ配信いたします。
今後ともどうぞよろしくお願い申し上げます。
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◎ ひるまだより とは
ひるま矯正歯科で、隔月で発行しているニュースレターです。
下記アドレスからダウンロードできます。
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Copyright(C) Hiruma Orthodontic Office
Presented by オーダーメイドの矯正治療《ひるま矯正歯科》
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