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患者さん向けセミナー[参加レポート4]

妊婦さん向けセミナー〜将来のお口の健康のために一緒に学びましょう〜

講師:鈴木香会さん

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今回は妊婦さん向けのセミナーを取材しました。お子さんの歯について、じっくり学べるのは今だけ!? 出産後は忙しくてどうしても歯のことは後回しにしてしまうことが多いそう。セミナーには出産を間近に控えたご夫婦が参加されました。

赤ちゃんの歯のこと

生後6ヵ月ごろから乳歯が生え始めるというのを知っている方は多いのですが、ではその乳歯が作られるのはいつごろでしょう。妊娠2ヵ月ごろに乳歯の卵ができ始め、エナメル質ができたり、象牙質ができたりと徐々に大きくなっていき、出産の頃には乳歯が生える準備ができています。永久歯も出産の頃には準備を始めています。歯も他の臓器と一緒なんですね。

■健康なお口の中を知ってください
乳歯列と永久歯列ではパッと見たときに違いがあります。乳歯は歯と歯の間に隙間があります。これを心配する親御さんがとても多いのですが、この隙間はとても大事なもので、意味があるのです。乳歯と永久歯は歯の大きさが違います。乳歯列に隙間がなかったら永久歯はでこぼこに生えてくる可能性があります。成長とともに顎の大きさも変わってきますが、それだけでは大きな永久歯がきれいに並ぶスペースは確保できないのです。この2人の写真は歯茎も引き締まっていてとてもいい状態です。この状態を目に焼きつけて、これから生まれるお子さんの歯を健康に保つ参考にしてもらえればと思います。

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乳歯はむし歯になっても大丈夫?

乳歯は生えかわるからむし歯になっても大丈夫と思っている方もいらっしゃるようです。確かに乳歯はいずれ抜けてしまう歯ですが、むし歯になると、歯に穴があいたり、欠けたりすることで、噛む機能が失われることになります。「噛む」ということは乳歯列期に食事の度に行われることで身につく習慣なのです。習慣づけができないでいると噛まない癖がついてしまい、やがて永久歯に生えかわっても噛むことで得られるお口の健康を阻害することになってしまいます。

噛むことの大切さ

噛むことには次の作用があります。

  1. むし歯や歯周病を予防できる
    噛むことで唾液の分泌を促し、細菌を洗い流すことができます。
  2. 味覚が向上する
    舌にあるブツブツは味覚をキャッチするセンサーです。唾液に刺激されて味を感じることができます。
  3. 発声がよくなる
    噛むことで口のまわりの筋肉が鍛えられ発声がよくなります。
  4. 肥満を防止する
    唾液に含まれるアミラーゼは満腹中枢を刺激して、過食を防ぎます。

他にも噛むことで胃腸が健康になり元気になる、脳が活性化するなど、「噛む」ことは本当に大切だということが分かります。

歯周病が早産に影響!

お口の感染症のひとつ、「歯周病」が引き起こす可能性がある病気は、脳、骨、心臓、関節、皮膚、肺、胃などに及びます。なかでも歯周病が妊娠トラブルに大きな影響を及ぼすことを知りましょう。妊娠したら煙草やお酒をやめましょうというのは、多くの人が知っていて、当然のこと、と思われています。しかし妊婦における早期低体重児出産の危険率は、歯周病の方が何倍も高いのです。それでも妊娠したら「歯医者に行った?」とはあまり聞きません。妊娠を希望される方、妊娠されている方はもちろん、家族で歯周病に罹患しないように取り組むことが大切です。歯周病が妊娠トラブルに影響するということを多くの方に知ってもらいたいと思います。

衛生士 鈴木香会さんより

私は未成年の子どもたちの診療を担当していますが、お口の状態はさまざまです。親御さんに正しい知識を持ってもらえればもっとお子さんたちが健康になる、との思いから、妊婦のうちに健康なお口はどういうものか、どうすれば維持できるかということを知ってもらうためにセミナーを企画しました。お子さんたちがしっかり噛んで健康になってもらえると嬉しいですね。

ひるまだより編集部より

今回のセミナーでは、歯周病に感染すると妊娠トラブルを起こす確率がアルコール摂取などよりも何倍も高いということに大変驚きました。自分自身の妊娠期はもう何年も前のことですが、誰からも教えてもらった記憶はありません。お口の健康は全身の健康というのは本当ですね。妊婦さんもご家族の皆さんもぜひご注意いただければと思います。