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インタビュー/院長・晝間康明

 

予防歯科の啓蒙活動に尽力した一年 2019年も理念を大切に続けていきたい

2018年を振り返って、昨年はどのような一年でしたか。

2015年に今の場所に移転して、医院名をOPひるま歯科矯正歯科に改めました。それまでは、矯正歯科が主体で、矯正治療をのぞむ患者さんが来院されて、〝矯正治療のために〟むし歯や歯周病のリスクを調べ、初期治療をしてから矯正治療を始める、という流れでした。しかし、そうすると矯正治療が終わると患者さんは満足してメインテナンスに足を運ぶことがなくなってしまうのです。メインテナンスは継続が本当に大事なので、患者さんの健康を守っていくためにはそれじゃいけないと思い、一生患者さんのお口の健康を守るために、リスクを知って予防をするMTM(メディカルトリートメントモデル)を徹底して実践する医院に変えました。2018年は〝矯正治療のために〟ではなく〝患者さんの一生の健康のために〟という説明をより徹底して行いました。しかし、矯正治療を希望される患者さんは早く治療を開始してほしいと考えています。昨年は、そんな患者さんたちの理解を得ることは難しいと感じた一年でした。しかし一方で正しく理解してくださった患者さんも多く、ご家族で通院されるようになったり、お知り合いを紹介していただいたり。そんなときはとても嬉しいです。改めて振り返ると、昨年は予防歯科の啓蒙活動に取り組んだ年だったと言えますね。

予防歯科の啓蒙活動というと、どのようなことをしましたか。

まず患者さんに向けてということであれば、先述のとおり来院された方が何を望んでいるかを聞いて把握し、予防の大切さをきちんと説明することが第一ですね。あとは当院のホームページや『ひるまだより』などで、いろいろな角度から説明すること。その他に、小さな子どものうちから予防を始めてもらいたいという思いから、幼稚園の先生向けの講演や教師や管理栄養士を目指す大学生を対象にしたセミナーなどを行いました。また、山形県酒田市の日吉歯科診療所理事長の熊谷崇先生が行っている若い歯科医師や医学生が参加するOP(オーラルフィジション)のセミナーでプレゼンもしました。

医院内ではどのような取り組みをされていますか。

医院内では、毎年6月と12月に各自が自分の仕事のなかでテーマを見つけて、調査し分析して発表するという「振り返り」を行っています。例えば衛生士ですと、自分が担当している患者さんの年齢や状態、治療の内容を分析し、論文などのデータと比較して状況を把握します。データを分析して、例えば歯周病は早い段階から治療を始めると重症化しないことを確認したりしています。もちろん患者さんそれぞれの環境などはあるのですが、公的なデータと同条件に当てはめてみて当院の状況が同程度の割合で推移していることを理解するのも重要なことなのです。歯科助手や受付など担当によってテーマは異なりますが、常に問題意識をもって仕事にあたること、分析してさらに発表するというのが大事だと考えているので、年に2回取り組んでいます。

また、他医院との合同勉強会も定期的に行っています。これはお互いにかなり刺激しあえるいい会になっていて、当院のなかだけでは、できないと諦めてしまうことでもいいアドバイスをもらったり、他の衛生士さんの頑張る姿を見て励まされたりと、皆大きく成長するきっかけになっていると感じます。

医院の移転後、診療時間が19時半までだったのを18時までに変更したのも当院にとっては大きな変化でした。患者さんの健康を一生涯守る、とお約束する以上、スタッフ側も生涯にわたって働ける環境をつくらないといけないという思いから変更しました。これは、患者さんにはご不便をおかけして申し訳ないと思っています。仕事が終わってから来院していただいていた成人の患者さんは平日の来院は難しくなり、土日に予約が集中するようになってしまいました。しかしスタッフは若い女性が多く、小さな子どもがいるのに19時半まで働いてもらうのはやはり難しい。当院には優秀なスタッフが揃っていて、多少の不便はあっても衛生士のメインテナンスを受けたいと思ってもらえるよう日々勉強しています。ご理解をいただきたいと考えています。

2019年はどのようなことに取り組みますか。

熊谷先生のもと、富士通株式会社と連携してクラウドを開発しました。これは医院で検査や治療した口腔内の状況をクラウド上で患者さんと共有するシステムですが、さらに進化させたいと意見交換しています。例えば歯ブラシにセンサーをつけて歯ブラシの動きをデータ化し、自分でも確認できることはもちろん、メインテナンス時に歯科医院と共有するなど、より効果的な予防歯科を定着させることができます。ただこれらは、生活習慣の一部にならないと効果を出すのはなかなか難しい。歯みがきのデータや医院のデータのほかに予約システムなども全部つながっていかないと患者さんの意識改革にはつながりません。それに一番大事なことは継続しないと意味がないということなんです。これは長い道のりになるかもしれませんが、やっていかないといけないことだと認識しています。

ということで、今年は昨年までやってきたことを継続していくということですね。改革に着手はしているので、それらを継続すること、少しでも理解を得られるように丁寧に説明し続けること。当院の診療理念「命を輝かせる歯を生涯にわたり守り、あるべき歯科医療を実現する」これを今はひたすら信じ守っていくことが大事だと考えています。今年は医院開設42年目を迎えます。いろいろな変遷をたどり、また今は固い大地を耕し始めて種をまいている段階ですが、小さな芽が出始めたら大切に育てていきたいと思っています。