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インタビュー/院長・晝間康明

予防歯科の啓発活動に手応え子どもにも大人にも広めていきたい

昨年に続き、2019年も予防歯科の啓発活動を展開されましたか。

近年、フッ化物洗口がむし歯予防に効果があると言われています。フッ化物洗口とは、規定量のフッ化ナトリウム溶液を口に含み、ぶくぶくうがいをして吐き出すことで、歯面にフッ化物イオンを行き渡らせ、むし歯の予防をするものです。これは厚生労働省のホームページにも書かれていますが、フッ化物洗口によるむし歯予防効果は、小学校入学後から実施した場合30%前後であるのに対し、4歳児から実施すると40〜80%と、高い予防効果を得ることがわかっています。

全国でも幼稚園や保育園で、フッ化物洗口を始める県や自治体が増えてきているなか、立川ではほとんど行われていなかったのが実情です。2019年は立川市内幼稚園の園長先生とお話しして4歳、5歳のクラスでフッ化物洗口を始められたことが嬉しかったですね。最初に真水でぶくぶくうがいをして吐き出す練習をして、できるようになったところでフッ化物洗口を始めました。保護者の皆さんにも説明会を行い、理解を得られたことも大きな一歩になったと感じています。

フッ化物洗口は歯みがきよりもむし歯予防に効果があるのですか。

歯みがきは歯面や歯と歯の間の汚れを落とすことはできるのですが、むし歯菌は歯ブラシで落とせないところにもいます。そしてずっと歯ブラシがあたらなかったら、むし歯菌はそこに居続けます。それがむし歯の原因になるのです。フッ化物洗口は、歯ブラシで落とせなかったむし歯菌にも作用して、むし歯になるのを防ぐことができます。フッ化物は再石灰化を行うことができるので、歯に穴が空いて溶けていくというむし歯を止められるということなんですが、フッ化物洗口が有効だということは実はあまり知られていません。多くの幼稚園では子どもたちに歯ブラシを持たせて食事のあとは歯みがきをしましょうと指導していますが、子供達の歯みがきだけでむし歯予防効果はほとんど期待できないので幼稚園ではフッ化物洗口、家庭では保護者の仕上げみがきとフッ化物の利用と分けて取り入れてもらいたいと思っています。

新潟県では全国で一番初めに幼稚園でのフッ化物洗口を取り入れ、現在、実施率は約70%です。その結果、12歳児でむし歯の経験歯数(治療した歯、未治療の歯の合計)が全国平均0.84本であるところ、新潟では0.4本とむし歯のある人が少ないことがわかります。最近は埼玉県も積極的に取り入れていてむし歯の本数が減ってきています。東京でも推進していかなければいけません。

しかし、フッ化物洗口をしたからといって、むし歯は増えないかというと皆にあてはまるわけではありません。フッ素は天然の歯の表面を再石灰化させることでむし歯の予防になるのですが,詰め物の裏側には入っていかないんです。これは削って詰め物をした範囲が広がっていくと、フッ素でのむし歯予防効果はあまり期待できないということです。そういう面からも、まずはむし歯を予防して、もしむし歯になってしまったときにも歯を削る治療はできるだけ避け、むし歯の進行を遅らせることが大切です。さらにむし歯は生活環境、歯の質、食習慣、唾液の量や質によってもかかりやすさが変わる病気です。これらのむし歯になる原因を探り、改善していく。安易に削るのではなく、進行しないように一人一人にあった予防をすることが大切です。

先日は立川市のセミナーでも子どもたちの歯並びの話とむし歯の予防について、講話を行いました。地域の人たちに知ってもらうことからこつこつとやっていきたいと思います。

大人の方にも活動されていますか。

ひるまだより88号でも紹介しましたが、6月に富士通の健康推進セミナーで講演を行いました。アップルデンタルセンター院長の畑先生が「今からでも間に合う成人の予防歯科」、衛生士の花岡さんが「年代別具体的なケアの方法」、私は「家族で始める予防歯科」についてお話ししました。この時は社員の方150名が集まってくださったのですが、好評だったとのことで12月に別の会場でも行いました。

今後の展開を教えてください。

地域の子どもたちにフッ化物洗口を推進することは続けていきますが、小学校に行ってやめてしまったら結局途切れてしまう。保護者の皆さんにも正しいむし歯予防の方法を伝えていって歯科医院でのメインテナンスが必要だということを理解してもらいたいと思っています。それとともに大人の方の予防歯科を進めていきたい。企業に健診のあり方を見直してもらいたいと考えています。健診はむし歯や歯周病が発症して重症化したところで歯科での受診を促すことを目的としますが、むし歯や歯周病になる前の段階、むし歯や歯周病にならないようにするため、自分のリスクを知る検査に変えていければと考えています。

医院内ではどのような取り組みをされていますか。

当院のスタッフは皆がんばってくれていますが、患者さんの28本の歯を生涯にわたり守る責任はやはり大きく辞めてしまう人もいます。負担を減らすために、診療時間を18時までにしましたが、その他にも産休育休をしっかり取れるようにすること、残業をなくすことに取り組んでいます。残業が続くと疲労が蓄積するので、みなし残業制度を取り入れ効率よく仕事をする環境を整えたり、全員で一定の残業時間を超過しなかったら達成手当を出すようにしたりしています。全員でがんばっても残業が必要と言うことであれば仕事量が多すぎるということで、人を増やすなり仕事を減らすなり検討していかなければなりません。始めてからまだ3ヵ月目ですがいい方向に変わりつつあるかなと感じています。

OPひるま歯科 矯正歯科のスタッフの皆さんは向上心を持った方が多いですね。

そうですね。新しく入った佐藤先生はオーラルフィジシャン(OP)セミナーのプレセミナーで2回ほど発表しています。このセミナーでは予防歯科を目指す若い歯科医師や歯学部の学生に予防歯科医としての成長過程を伝えてもらっています。そして、発表を通じて自分の振り返りにも役立ててもらっています。今年は一般歯科診療の習得に専念してもらい、それ以降は歯内療法や歯周治療、そして矯正治療など専門的な治療を少しずつ学んでいってもらいたいと考えています。

衛生士の駒形はスウェーデンのマルメ大学に研修に行きました。これまでには私や直未先生のほか、衛生士の野中や鈴木が同じ研修に参加していますが、大変勉強になったと言っていました。本当に皆しっかりと勉強してくれています。

2020年はどのような一年になりますか。

産休育休を取っていた衛生士の渡辺と野中が復帰予定なので、診療予約が取りづらかったのが改善されると思います。佐藤先生も診療の範囲が増えるし、新しい衛生士さんたちも成長していくと思うので、診療体制がしっかり確立できると期待しています。あとは予防歯科の啓発活動を継続して発展させていていくことですね。『ひるまだより』やホームページでも随時紹介していきたいと思います。