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患者さん向けセミナー[参加レポート1]

テーマ「メインテナンスとセルフケア」

ひるまだより編集部がOPひるま歯科 矯正歯科で行われている患者さん向けセミナーを取材しました。セミナーの様子をご紹介します!

講師:加納美枝子さん(歯科衛生士)

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2018年3月22日(OPひるま歯科 矯正歯科 セミナールーム)

まずは自己紹介から!

OPひるま歯科 矯正歯科、医院名の頭についている〝OP〟とはなんでしょうか。答えは〝オーラルフィジシャン〟。口腔内科医という意味です。
「お口の中で起こる病気は主に、むし歯と歯周病。検査をして、自分がどれだけそれらに罹りやすいのかを把握し、ひとりひとりに合わせた予防を行います。どうしても治療が必要な場合には、できるだけ身体への影響が小さいように考えて治療をします。」加納さんのわかりやすい説明に納得!医院名にOPを掲げ、お口も身体の一部として考え、全身の健康を考えている医院であることが伝わります。
「歯科衛生士である私たちと患者さんの目標は同じ。生涯にわたり健康な口腔を維持し続けること」と加納さん。お口の健康を維持するにはどうすればいいのか、俄然興味が沸いてきました。
では、セミナーの内容をご紹介しましょう。

一生健康に過ごすために必要なことは?

平均寿命と健康寿命は違います。現在、男女とも平均寿命は80歳を超えていますが、そのうち自立した生活を送れる年数、健康寿命はは男性約71歳、女性は約74歳。男性は9年、女性は12年もの間、介護が必要になると言われています。なぜこういうことが起こるのでしょうか。その原因のひとつに、お口の中の健康が維持できていないことがあげられます。

お口と体はつながっている!

お口は健康の入り口です。もし歯周病になってしまったら、歯周病の細菌が血流にのって全身に広がることが知られています。万が一、その細菌が肺に入ってしまうと誤嚥性肺炎になる可能性があります。妊娠されている方は特に歯周病のリスクが高まるとも言われており、早産の危険があることもわかっています。美味しい食事をいつまでも食べ続けられることは精神面での健康につながることは皆さんもよく分かると思います。体の健康を考えるとき、一緒にお口の健康も考えることが大切です。

80歳で20本残すのが目標!?

8020運動を聞いたことがありますか? 80歳になったとき、20本の歯を残すことを目標にしましょうという運動です。しかし、20本だけ歯があれば健康なのでしょうか。成人の歯の数は28本。8本はなくなってもいい、とはとても思えません。
8020を達成している国、スウェーデンでは、国が40年間管理を続けほとんどの国民が歯科のメインテナンスを受けています。その結果、むし歯と歯周病で歯を失った人の割合は12%。日本は70%です。できるだけ多くの歯を残し、健康な歯を健康なまま使い続けるために日本でもしなければならないことはメインテナンスなのです。

メインテナンスってなんだろう?

ある患者さんに、4ヵ月ごとに歯科でメインテナンスを受ける提案をしたところ、3ヵ月ごとにしてほしいと言われました。その方は、歯科のメインテナンスを受けることが毎日の歯みがきのモチベーションになっているんです。自身が日々頑張っていることを確認してもらい、できていたら褒められることでまた毎日の歯みがきを頑張れるそうです。メインテナンスは継続が大切です。続けるために、自分でモチベーションを高めていくことができれば、将来の健康にもつながっていきます。
では、いつからメインテナンスを始めればよいのでしょう。答えは「歯が生えたら」。歯が生えたらメインテナンスの始まりなのです。
世界にはいろいろな国があり、歯科にまったく行かない方たちもいます。その方が40歳になったときどうなるかというと、歯を支えている骨が約4.5㎜減っていたそうです。そうならないためにも、毎日のセルフケアと歯科での定期的なメインテナンスを欠かさないようご自身のモチベーションを高める方法を考えてみてください。

やっぱりセルフケアが大事!

歯みがきをどのようにしたらいいのかとよく質問を受けます。ひとりひとりお口の状態は異なるため、やり方はそれぞれ違います。むし歯も歯周病もない人は、基本的な歯ブラシや歯磨き粉などを使って、5〜7分できれいになります。反対に全部の歯が治療してあるような人の場合は、歯みがき道具を9点も使い、20分ほどかけてみがかなくてはなりません。年齢を重ねたとき、これら全部の道具を使いこなすのは難しい。皆さんが今できることは歯を病気にしないこと、1本1本の歯を大切にすることなのです。

歯科衛生士 加納さんより

患者さんから、メインテナンスってなんですか? セルフケアってどのようにしたらいいんですか? という質問をいただくことがあり、今回のセミナーを企画しました。実際のセルフケアの方法は、ひとりひとり違うのでメインテナンスに来られた際に説明するのですが、メンテナンスが大事でセルフケアを続けることが必要ということは繰り返し皆さんにお話ししたいと思っています。受講された皆さんが発信源となり「歯が生えたらメインテナンスの始まり」という考えが定着するといいなと思います。

ひるまだより編集部より

今回のセミナーでは、今ある28本の歯が20本になったとき、16本になったときの写真を見てとてもショックを受けました。想像していた以上にお口の中はスカスカで食事も楽しくできないだろうということがわかりました。今、歯が抜けることは想像できない自分ですが、メインテナンスを続けないとこうなってしまう…! というのはかなりの恐怖です。メインテナンスやセルフケアをきっちりと続け、健康な口腔内を維持できれば、毎日のケアは掃除道具も少なく、楽だということはよく考えれば当たり前なのですが、つい甘えてしまうこともあります。でも結局自分に返ってくるんですね。自分のために続けていきたいと思いました。