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当院のデータから見るメインテナンスの有効性[小児]

今回は、当院の小児のメインテナンスデータについて評価、解説します。

当院では、毎日のメインテナンスでの歯の磨き残しや生活習慣から虫歯の活動性を判断し、歯の崩壊を防ぎ、歯を削る修復治療を最小限にする努力をしています。したがって、私たちのメインテナンスの効果を測定するには新しい修復治療をどれだけ少なくできるかが指標となると考えています。今回は小児について、下記3データよりメインテナンスの有効性の調査、分析結果を紹介します。

分析の確かさについて

当院のデータを当院のスタッフが分析しているので、当院のメインテナンスが効果があるだろうという意識が働いている可能性(バイアス)が高い分析方法となります。また、統計処理による有意差の検証や危険率の計算も行っていないので科学的に差があるとは言えない分析方法となります。

OPひるま歯科 矯正歯科の小児メインテナンスデータ

対象者

初診時年齢20歳未満で2年以上の中断がなく5年以上定期的にメインテナンスに通っている患者さん121人

研究方法

観察研究

エビデンスレベルの高いケースコントロールスタディーのように、研究群としてメインテナンスを行っている群、コントロール群としてメインテナンスをしていない群を設定して同じタイミングで検査を行い比較することが理想ですが、当院にメインテナンスで実際に来院している患者さんだけのデータとなるのでコントロール群がない観察研究となります。

後ろ向き研究

2020年を基準として来院している患者さんのデータを振り返りながら分析しました。したがってメインテナンス中に来院されなくなってしまった患者さんの状態は不明であり、メインテナンスしていても口腔内の環境が悪化して来院しなくなった方が含まれていない可能性のある研究となります。

結果

修復処置が必要になった永久歯について

メインテナンス中に永久歯の修復処置が必要になる歯が発生した小児は121人中13人(10.7%)でした。
初診時の年齢により、5歳以下、5-12歳、12−20歳のグループに分けて評価したところ、5歳以下のグループで永久歯の修復処置が必要になる割合が最も低く、初診時の年齢が高くなっていくと修復処置の割合が高くなる傾向を認めました。

修復歯の本数とう蝕原因菌の関係について

修復が必要となった小児の初診時の唾液検査におけるう蝕原因菌(SM)のスコアを調べました。
SMは細菌の量が多くなるにつれてスコアが0〜3に増加します。初診時唾液検査のSMスコアが0〜2で永久歯の修復処置が必要となった小児を認めましたが、スコア2の6人(35.3%)が最大となりました。

最新メインテナンス時における磨き残し(PCR)と歯茎からの出血(BOP)について

グループごとに最新の磨き残し(PCR)と歯茎からの出血(BOP)を調べました。
PCRもBOPも5歳以下のグループで最小となり、年齢が低いうちにメインテナンスを開始することで低い値を保つことができました。

考察

今回、私たちは修復処置が必要な虫歯の増加について調査しました。文部科学省による令和元年度の学校保健統計調査では日本の12歳児虫歯経験歯数は0.7本、虫歯の経験がある子供は31.8%でした。これは、修復した歯の本数とこれから修復しなければならない虫歯の合計です。当院でメインテナンスを12歳以下で開始している子供たちの新たな虫歯の発生は0.2本、新しい虫歯ができた子供は10.7%であったため、虫歯のない状態でメインテナンスを開始し継続すれば日本の平均的な子供たちに比べて修復した虫歯の本数は少なくなりメインテナンスの効果があると考えられます。

一方で、当院で同じメインテナンスを行い、各年齢グループ間で平均メインテナンス期間に大きな違いはないものの、初診時の虫歯原因菌(SM)スコアにより虫歯の発生本数が異なったり、初診時年齢が低年齢であるほど最新メインテナンス時のPCRやBOPが低下することから、低年齢時よりメインテナンスを開始しSMの感染を防ぐこと、正しい歯の磨き方やフッ素の使い方、虫歯になりにくい食事法を知ることが重要であると考えられました。

今回の結果から、低年齢からメインテナンスを開始することで虫歯による新たな修復治療を防ぎ生涯にわたり歯を健康な状態に保つ可能性が高まると考えられました。子供たちが低年齢からメインテナンスを受けられるかどうかは保護者の考え方、祖父母親類も含めるご家族の考え方で決まります。ぜひ、子供達を連れて家族でメインテナンスを受けて下さい。そして、一緒に子供たちの歯を守っていきましょう。私たちはメインテナンスにより皆さんと共に歩む歯科医院です。