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インタビュー33/Sさん「上突咬合 上突歯列 叢生歯列弓 下後退顎」

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長期間の治療でも不安は一切なし 見た目とかみ合わせを改善できた

矯正治療を受けようと思ったきっかけを教えてください

中学生から高校生くらいの時、前歯全体が前のほうに出ていて、笑うときに歯が唇にひっかかってニコッと笑うことができないのが気になり始めました。加えて、上あごと下あごをかみしめる時、前歯に合わせると奥歯がかみあわず、奥歯に合わせると前歯がかみあわないといった感じで、すごく痛いわけではないのですが、微妙な違和感を感じていました。食事の時の食べづらさなどは特になかったですし、両親から歯列矯正をすすめられたわけでもなかったのですが、見た目とかみ合わせ両方を良くしたいと思い、大学に入学してから矯正治療を受けることを決めました。

医院選びはどのようにしましたか?

当時立川市に住んでいたので、通院するのに便利な近くの歯科医院がいいと思い、インターネットで「立川 矯正歯科」と検索したら一番目に出てきたのがOPひるま歯科 矯正歯科でした。ホームページを見ると、内容がすごくしっかりしていて自分がどういう治療を受けるのか具体的にイメージできましたし、患者さんからの評価も「ていねいでよかった」というコメントばかり。足を運ぶ前から「OPひるま歯科 矯正歯科しか考えられないな」と思っていました。カウンセリングを予約して、晝間先生に歯の状態を診てもらったのですが、とてもくわしく説明してくださいました。治療方針にも納得できたので、OPひるま歯科 矯正歯科で治療を受けることに決めました。家の近くで信頼できる矯正歯科に出合うことができてラッキーだったと思います。

晝間先生からはどのような説明がありましたか。最初はどのような治療をしましたか?

ワイヤーを使って矯正治療する前に、クリーニングをしてお口の中の状態をきれいにしましょうと言われました。また、あごの骨と歯の大きさのバランスが悪く、あごの骨の中に歯が入り切らないので上下左右4本の歯を抜くこと、将来的に親知らずが生えてきたときに綺麗になった歯並びが崩れてくるため、治療の途中段階で親知らずも抜歯することの説明を受けました。

治療が始まり、歯科衛生士さんからクリーニングしてもらった時に、タフトブラシやフッ素が入った仕上げ磨き用の歯磨き粉などの存在を初めて知り、使い方をていねいに教えてもらってためになりました。代々むし歯になりにくい家系と言われていて、実際私もむし歯になりにくいので、OPひるま歯科 矯正歯科に通うまでは適当に歯磨きしていました(笑)。でも晝間先生や衛生士さんから「矯正治療を始めると口内環境が変わり、お口のトラブルが起こりやすくなる」と聞いたので、しっかり磨こうと思いました。矯正治療を始める前から歯に対する意識が変わっていくのを自分自身でも感じて嬉しかったです。

抜歯はいかがでしたか?

2本ずつ、2回に分けて合計4本抜いてもらったのですが、抜かれる時も抜いてもらった後も痛かったです。他に痛かったことといえば、治療の最初の方で、一番奥の歯にバンドと言われる輪になった装置をつけるのですが、それをつけるために、歯と歯の間にゴムを入れて隙間をつくるんです。そのゴムを入れている間がすごく痛かったですね。抜歯と同じくらいの痛みで、つらい思い出です(笑)。

ワイヤーはいかがでしたか?

特に何事もなく、毎日ふつうにご飯を食べていて、平和でした(笑)。痛みも、抜歯とゴムの時に比べたら何でもなく、楽でした。顎間ゴムを上下の歯にかけていましたが、食事の時にはずすので食べづらさはないし、つらかったことはないですね。ときどき、ほうれん草などがはさまったりした時には、歯を磨いたり、つまようじで取ったりしました。矯正装置に色がついてしまうのでカレーライスは食べないほうがいいと聞いていたので、装置がついている間は食べないようにしていました。先日リテーナーに変わったので、久々にカレーを食べたのですが、ずいぶん長い間食べていなかったことに気づきました(笑)。

歯並びが整い始めているのを実感したのはいつですか?

初めて実感したのは、ワイヤーをつけ始めて1、2ヵ月くらいに、それまで歪んで生えていた前歯が整い始めたのに気づいた時ですね。それから、4本抜歯をした時に、歯がないところの見た目が気になっていたので、早くこの状態が改善しないかなあと思っていたのですが、治療が進み前歯全体を下げる段階で、抜歯した歯の隙間がどんどんなくなっていくのに気づきました。そのあたりから一気に全体的に整っていった感じがします。長い治療期間でしたが、歯並びが少しずつ良くなっていくのが自覚できたので、月に一度の通院が面倒だと思うようなことはありませんでした。

アンカースクリューを装着されたのですね

短期間で確実に前歯が下がるということで、治療の後半にアンカースクリューをすすめられ、装着してもらいました。費用が多少かかりましたが、装着の時の痛みもなかったですし、結果的に予定よりも早く治療が終わったので、つけてもらってよかったと思います。

親知らずの抜歯もされたのですね

晝間先生から、骨の下に埋まっている親知らずが横向きにはえていて、その歯をほおっておくと前の歯を押してしまい、矯正治療でせっかくきれいに並んだ歯並びが崩れてしまうので、そうならないように前もって抜くことをすすめられました。まだ生えてもいない親知らずを抜くことに対する不安や恐怖がありましたが、いつかはやらなくてはいけないと思いましたし、その頃ちょうど大学3年生の春休みで、時間に余裕があったんです。「やるなら今。こわいからって躊躇している場合じゃない」と思い、抜歯してもらうことを決心しました。下の親知らずは立川病院の口腔外科で抜いてもらいました。緊張しましたが、麻酔がよく効いたせいか抜く時も終わった後もあまり痛みがなく、安心しました。

矯正治療をして、まわりの方たちの反応はいかがでしたか?

大学では、女性ばかりの4人グループでよく一緒に行動していたのですが、4人のうち3人は矯正治療経験があり、治療のことを理解してもらえたのがすごくよかったですね。どのタイミングで痛くなるのかわからないと治療のイメージがわかず、つらかったかもしれませんが、「痛いのは1週間くらいでおさまるよ」などと具体的に教えてもらえたのでありがたかったです。ワイヤーの治療が終わり、今はリテーナーによる保定中で、食事の時にはずさないといけないのですが、皆理解があるので気分的にも楽ですね。私よりも早く治療を始めた友達ばかりだったので、「治療が終わったらこんなにきれいになるんだ」と、先が見えるところもよかったです。歯並びがきれいになって、歯をきれいに見せる審美治療にも興味がわいてきました。OPひるま歯科 矯正歯科ではホワイトニングを何回か無料でやってもらえるのでまずはそれを体験し、今後どうするかいろいろ考えていきたいです。

OPひるま歯科 矯正歯科での治療はいかがでしたか?

矯正歯科を探して1軒目に足を運んだところがOPひるま歯科 矯正歯科だったので、他の歯医者さんのことはよくわからないのですが、病院全体がきれいですし、長期にわたる治療なのに患者さんに不安を与えるようなところが一切ないというのは本当にすごいなあと思います。矯正治療は時間もお金もかかるのに加え、痛みも伴う治療なので、いつも安心して通院できるのはありがたいことですね。最初の希望だった見た目と、かみ合わせを改善できたので治療をしてよかったと思っています。

カリエスフリーで抜歯治療を行った両突歯列症例
初診時の診断:「上突咬合 上突歯列 叢生歯列弓 下後退顎」

今回は、上下顎前歯が唇側に傾斜している両突歯列の改善を行ったSさんの症例について解説します。う蝕の原因菌であるミュータンス菌を認めるものの矯正治療中にむし歯を進行させずに矯正治療を終える事ができカリエスフリーできれいな歯並びを手に入れる事ができた症例です。

※以下より画像をクリックすると大きい画像を見ることができます。

【初診時】

■ 現症および主訴

噛み合わせが不安定である事、前歯のデコボコを気にされて当院を受診されました。

顔貌所見

正貌において下顎がわずかに右側に偏位していました。側貌において口唇閉鎖時の軽度緊張感、口唇の突出感を認めました。

初診時 顔貌初診時 側貌

口腔内所見

上下顎前歯が唇側に傾斜し、前歯部に軽度の叢生を認め、前歯の被蓋関係はやや深い(前歯の重なる量が多い)傾向を認めました。臼歯関係は右側がAngle class I、左側がAngle class IIIでした。臼歯関係が非対称の原因は、左側の大臼歯が近心に移動して左下5番が舌側に転位している事、下顎が軽度に右側偏位している事が原因と思われました。

初診時 上顎

初診時 右側初診時 正面初診時 左側

初診時 下顎

X線写真所見

側面頭部X線規格写真(セファロ)により、上顎骨と下顎骨の前後的な位置関係は下顎骨がやや後方に位置し、上下顎骨の歯の並ぶ前後的な奥行きはあまりなく、上下顎前歯が唇側に傾斜する事で口唇突出感の原因となっていました。

X線写真から口唇軟組織に厚い傾向を認めました。パノラマX線写真では、上下顎左右親知らずの埋伏を認めました。デンタルX線写真では歯周病による明らかな歯槽骨の吸収等は認められませんでした。

パノラマX線写真

唾液検査・歯周組織検査

唾液検査では、歯の磨き残しが多く、むし歯の原因菌であるミュータンス菌も認め、むし歯のリスクはやや高い傾向を認めました。歯周病は部分的な出血以外大きなリスクを認めない状況でした。

特記事項

特記事項はありませんでした。

■動的治療方針

本症例は咬合に明らかな異常は認めませんでしたが、前歯が突出している事でやや顎の位置が不安定な状態にあった事、前歯が唇側に傾斜した両突歯列であった事から上下左右4番(第1小臼歯)を抜歯して治療を行う事が理想的と判断しました。前歯を最大限に後退させ口元の突出感を改善するためにアンカースクリューを使用する事としました。また、親知らず(8番)も萌出するスペースがなく、矯正治療終了後に7番のう蝕や歯周病の原因になったり、保定期間中にきれいになった歯並びを壊す原因となるので、矯正治療中に抜歯の適応と考えました。動的治療期間は約30ヵ月を予定し、初期治療によりむし歯と歯周病のリスクを下げてから矯正治療を開始しました。

■ 動的治療開始時

動的治療開始時 上顎

動的治療開始時 右側動的治療開始時型 正面動的治療開始時 左側

動的治療開始時 下顎

■ アンカースクリュー使用時

アンカースクリュー使用時 上顎

アンカースクリュー使用時 右側アンカースクリュー使用時 正面アンカースクリュー使用時 左側

アンカースクリュー使用時 下顎

■ 動的治療終了時

動的治療期間および保定期間

動的治療期間は予想の30ヵ月より短い27ヵ月で終える事ができました。この間の調整回数は28回、平均的な来院間隔は1ヵ月でした。無断キャンセルなどによる中断はほとんどありませんでした。保定期間は24ヵ月を予定し現在は保定中です。

顔貌所見

動的治療後の評価では、上下顎前歯の後退により側貌における口唇突出感や口唇閉鎖時の緊張感は改善し、口元の良好なバランスを得ることができました。

動的治療終了時 顔貌動的治療終了時 側貌

口腔内所見

臼歯関係は左右ともにAngle class Iとなりましたが下顎骨が右側に偏位している影響もあって下顎歯列の正中は僅かに右側に偏位が残りました。

動的治療終了時 上顎

動的治療終了時 右側動的治療終了時 正面動的治療終了時 左側

動的治療終了時 下顎

X線写真所見

動的治療後の評価では、パノラマX線写真所見において、全顎的な歯根吸収や歯槽骨吸収などを認めませんでした。セファロX線写真の重ね合わせにおいて上下顎前歯の後退により口唇が後退して突出感と緊張感が改善した事がわかりました。。

パノラマX線写真

動的治療開始から保定終了までのセファロの重ねあわせ

動的治療開始から保定終了までのセファロの重ねあわせ

■ う蝕(むし歯)と歯周病のトータルリスク比較

う蝕のトータルリスク比較

う蝕のリスク合計は初診(動的治療開始時)唾液検査「8」→保定開始時「6」と低い状態で安定しました。これは、フッ素の使用状況の改善、唾液緩衝能の改善によりリスクが減少したためと考えられました。しかし、歯の磨き残しは再評価で減少したものの初診時と同様の値に戻ってしまったので現在再度ブラッシング指導などを徹底して改善をしています。

う蝕のトータルリスク比較

歯周病のリスク比較

歯周病のリスク合計は初診(動的治療開始時)「6」→保定開始時「3」と減少し安定しました。歯周病のリスクは矯正治療後に歯肉からの出血が減少し、定期的な来院も習慣化したためと思われます。

歯周病のトータルリスク比較

PCR、BOP、4mm以上の歯周ポケットの比較(%)

PCR、BOP、4mm以上の歯周ポケットの比較(%)

  • PCR(むし歯と歯周病の原因菌の付着を示す歯の磨き残し)
  • BOP(歯周病の原因菌による炎症を示す歯肉からの出血)
  • 4mm以上の歯周ポケット
    (歯周ポケットが4mm以上になると歯周病の原因菌による歯槽骨の破壊)

5分間刺激唾液分泌量の比較

5分間刺激唾液分泌量の比較
5分間の刺激唾液量

■ 考察

Sさんは噛み合わせの不安定感を気にされていました。このような症例では前歯による適正な被蓋関係を確立し、下顎骨の誘導を安定させる事で解消される場合があります。また上下顎前歯が唇側に傾斜しており、口唇の突出感も認める事から、抜歯を伴う矯正治療により前歯の後退を行いました。本症例では口唇の後退を期待する方針ですが、口唇の厚みも比較的厚い事から前歯を後退しても十分な口唇の後退が得られないと考えた事、治療期間を短くしたいという希望があった事からアンカースクリューを使用し前歯を後退させました。その結果、前歯が十分に後退し口唇の突出感が最大限に改善しました。前歯の被蓋関係が改善し誘導も確立され顎位も安定しました。

Sさんは歯の磨き残しが多く、ミュータンス菌も存在していて矯正治療中にむし歯ができてしまうリスクがありました。しかし、矯正治療中に新しいむし歯の発生は認めず、むし歯が0本(カリエスフリー)のまま矯正治療を終えてきれいな歯並びを得る事ができました。これは、磨き残しが多いものの唾液の分泌量が5分間で11mlと多く、むし歯菌の出す酸による歯の脱灰を防ぐ能力が高い事、当院での指導を受けて家庭でのフッ素を使用する様になった事、動的治療期間中に毎回の衛生士による歯のクリーニング(PMTC)と定期的なメインテナンスを行い、その後の歯面が清潔な状態でのフッ素洗口による積極的な再石灰化によるものと思われました。Sさんには、保定開始後に磨き残しが多い点が今後のリスクとなる事を説明し、再度歯磨きを丁寧に行ってもらいながらリテーナーチェックと定期的なメインテナンスを行い、生涯にわたり歯を守る口腔内を創ります。


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