| <病院により治療期間が違う>というより<ケースによって違う>というのが実状で、ことに反対咬合の場合は、大学病院であっても1期治療の見込みが違って長引くことは十分あり得ることです。これが反対咬合(下顎前突)のむずかしさで、下顎骨の成長発育が確実に予測できない現実では、1期治療の目標に達しない内に下顎が予測以上に発育してしまったり、歯の生え変りが想定以上に早くて、装置が外せないまま2期治療に突入してしまうケースは大抵の矯正医が経験しているはずです。 それは決して好ましいことではなく、やむを得ないケースもあるという意味ですが、18歳の姪ごさんが<同じ時期から反対咬合の治療を始め、最近までずっと装置をつけていた>とすれば、その<同じ系列の矯正歯科>の方針は少しおかしいかもしれません。 基本的に1期治療の考え方はお母様のおっしゃる通りで、一つの目安は10ヶ月の動的期間で終了し、永久歯列の完成を待って2期治療(本格矯正)に入るというものですから、治療のしっかりした矯正医は、早くから何が何でも1期治療を行なうという方針はとらなくなっています。 普通はどの疾患も早期発見、早期治療は推奨されるべきことですが、矯正治療に関しては、「注意深い観察下に放置せよ(watchful neglect)」という先人の教えにあるように、早期発見はともかく早期治療が必ずしも正しいわけではありません。お嬢様の矯正的詳細は分かりませんが、1期治療が延びている理由を担当医はどのように説明しているのでしょうか。説明によってはやむを得ない場合もあり得ますが、歯質が弱いということですから、まずは現状とこれからの見通しについての説明を求めることが必要でしょう。もしセカンドオピニオンを望まれるのであれば、まずその説明を聞いてから行かれた方が色々なことを理解しやすいかと思います。
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