| 歯は歯槽骨という骨の中の<歯槽という穴>の中にあり、歯と歯槽骨との隙間を歯根膜という線維組織が満たして、歯を歯槽骨に繋ぎ止めています。この歯根膜と歯槽骨、歯肉、歯根(セメント質)を総称して歯周組織といいますが、以前はこれを歯牙支持組織と呼んでいました。その古い呼び名にあるように、歯はこの4つの組織によって支持されています。 歯の動揺はその支持が弱くなって起こりますが、矯正移動中に起こる動揺は、歯槽の径が一時的に大きくなるためで問題はありません。それに対し病的動揺は、支持組織のどれがおかしくなっても生じるもので、その代表が歯周病(古くは歯槽膿漏といわれた病気)です。 お子様に歯周病の可能性は低いと思いますが、歯をつなぎ止めている歯根膜が炎症を起すと(歯根膜炎)、痛みとともに歯は動揺します。(説明は省略しますが)一時的にせよ外傷性咬合が起きても歯は動揺します。また、何らかの原因で歯根が短い歯(短根歯)は、矯正移動で異常な動揺を示すことがあります。 お子様の動揺の原因が何か、それが異常か生理的範囲内かは実際に診ないと分かりません。次の診療日はそう先ではないと思いますので、急ぐことはないと思いますが、当日の診療が始まる前かその前までに、受付または先生直接に<○番の歯の動揺>が強いので心配している旨を、確(しか)と伝えてください。必要があれば当日レントゲンを撮るでしょうし、初診時のレントゲンに何かが表れているかもしれません。その日に矯正治療を先に勧めるかどうかは、状況によって先生が判断します。 <何もない>とあれば、それはそれで一安心ですから、ともかく伝えて先生の説明を聞いてください。
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