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矯正歯科専門医院からのお便り 2009年11月 vol.12

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 矯正歯科専門医院からのお便り

 

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こんにちは。
ひるま矯正歯科『ひるまだより』編集部です。

ながらくご無沙汰していましたが、「矯正歯科専門医院からのお便り」を再開
することにいたしました。

今後は『ひるまだより』編集部が発行を担当、ひるま矯正歯科で発行している
『ひるまだより』30号のダイジェスト版を皆さまにお届けします。
どうぞおつきあいください♪

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■ もくじ

□ 特集 ライターSのおしごとレポート1 歯科衛生士
「一番大事な仕事は信頼を得ること」

□ ヒルマヤスアキのホッとひと息 院長・晝間康明

□ ひるまだより歯列矯正相談室
「6歳まで指しゃぶりをしていた8歳女児。小児歯科で開咬と診断されまし
た。矯正治療が必要ですか?」

□ fromデータ その1
「EBMという考え方」 歯科医師・松原大樹

□ はじめまして! 受付・坂本真由美

□ ひるま矯正歯科からのお知らせ

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■ 特集 ライターSのおしごとレポート1 歯科衛生士
「一番大事な仕事は信頼を得ること」

ひるま矯正歯科の歯科衛生士・千田幸恵さんにうかがいました。
「歯科衛生士の仕事とは?」

◇ 一日の主な仕事は?
◆ 器具の掃除から始まり先生の治療中は器具の準備や歯のクリーニング、P
MTCなどといったアシスト。予防治療の予約が入っていれば1階で治療をし
ます。

◇ 予防治療の内容は?
◆ 歯茎のチェック、歯周ポケットの深さ測定、磨き残しチェック、写真撮影、
歯のクリーニング、フッ素塗布など状態を説明しながら行います。時間は約
45~60分。小児は30分。これ以上長いと患者さんも疲れて集中力がなくなっ
てきます。

◆ ひるま矯正歯科では各衛生士がメニューを決めます。言われたことだけを
するのと違い、自分自身で内容を組み立てなければならないし同じことばかり
する訳にはいかない。毎年参加している酒田市でのセミナーの他、個人的にセ
ミナーに参加し治療効率をあげ、治療技術を向上させる努力をしています。

◇ 一番大事な仕事は?
◆ まず治療をきちんとできるのは当たり前で、今の口腔内の状態と良い状態
について、さらに現状を改善するにはどんな治療が必要か、これらを患者さん
に理解してもらえるように説明すること。患者さんからの質問にきちんと答え
られること。それらができて初めて信頼関係が生まれます。その信頼関係がし
っかりしていないと治療を続けていくのはとても難しいですね。

◇ 歯石取りに夢中になりすぎてどんどん前のめりに…。患者さんに鼻がつき
そうになったこともあったとか。楽しいお話しをありがとうございました。
(S)

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■ ヒルマヤスアキのホッとひと息 院長・晝間康明

<賢い歯医者はデータに学び、愚かな歯医者は成功経験に学ぶ>

これは、ドイツ統一を果たしドイツ帝国初代帝国宰相となったオットーフォン
ビスマルクの「賢者は歴史に学び、愚か者は経験に学ぶ」という言葉から私の
脳裏に浮かんだ歯科界に対する言葉です。

私たち歯科医師は「難しい症例だ」と思って治療を開始しても、思いのほか簡
単に治ったり短期間で治ってしまう経験をします。この様な症例は、素晴らし
い成功の経験として私たちの記憶に深く残り、以後に出会う難しい症例にも同
じような治療結果を期待します。

しかし、この成功を生み出した要因を分析していなければ、以後の治療で同じ
成功を繰り返し再現する事は難しいのです。したがって偶然の成功経験だけに
頼った治療は治療期間を長引かせたり、うまく治らなかったりと患者さんに迷
惑や負担を強いる事になります。本当に賢く、患者さんに利益を提供できる歯
科医師は、失敗も成功もきちんとデータとして蓄積し、分析しその原因を考え
て改善し、再現を可能としながら治療技術を進化させています。

今回から松原先生が連載する「fromデータ」は、ひるま矯正歯科が賢い歯医
者になるためのデータに対する考え方を皆さんにも理解していただくための企
画です。ぜひお読みください!

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■ ひるまだより歯列矯正相談室
ひるま矯正歯科ホームページの質問コーナーに寄せられた投稿と回答をテーマ
ごとに編集して紹介します。

Q. 6歳まで指しゃぶりをしていた8歳女児。小児歯科で開咬と診断されまし
た。矯正治療が必要ですか?

A.開咬とは、伸びようとしている前歯が何かに伸びを阻害されて止まってい
るという状態ですから、原因が指しゃぶりであれば止めれば歯は自然に伸びて
元々の噛み合わせになるはずです。

指しゃぶりは「親指の腹を上顎にあて、人差し指が鼻の穴を上に押し上げるよ
うにして吸う」タイプが最も多く、この癖が長く執拗に続くと親指の力が上顎
に矯正力として作用するため上顎を上前方に引き上げ、上の前歯は前傾、開咬
をともなう出っ歯を作り出します。この場合、上の歯列がU字型(正常)では
なくV字型になって突出します。一方、下の前歯は親指の背の力が内側へ押し
込む力となり歯列が狭窄、前歯にデコボコが発生します。

指しゃぶりを止めたあと、この指しゃぶりでできた開咬部に舌を突き出す癖
(舌突出癖)がついていると、舌が指しゃぶりの代わりに歯の伸びを妨げ、前
述のような症状となることが多く、この場合自然治癒は難しく矯正治療が必要
になります。

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■ fromデータ その1
「EBMという考え方」 歯科医師・松原大樹

ひるまだより9月号の「酒田だより」でお伝えしましたが、私たちはより良い
医療を多くの方に提供する上でデータを分析することの重要性を再確認してい
ます。今号から「from データ」と題して医療におけるデータ、ひるま矯正歯
科のデータ、データの活用法などを紹介しながらデータから見えてくることを
皆さんにわかりやすく紹介します。

◆ EBMとは

さて、皆さんは「EBM」という言葉を聞いたことはありますか? EBMと
は“Evidenced Based Medicine”の頭文字をとったもので、日本語に訳すと
・根拠に基づいた医療・となります。根拠に基づいた医療とは?? それが今
回のテーマです。

◆ 医学的根拠は? 経験? それとも……??

皆さんが医療を受ける時、薬を処方される時など医療行為は医療者が何らかの
医学的根拠に基づいて判断し方針を決定します。しかしこの判断の根拠は多く
の場合、その医療者のそれまでの経験や必ずしも妥当性が証明されていない権
力者の見解に基づいていたり、効果の定かでない薬が使われたりすることがあ
り、それを改善しなければ適切な医療が安定して患者さんに提供されることは
ないということが問題視されてEBMという概念が生まれました。

◆ 科学的根拠に基づいた最適な判断を!

EBMとは、あやふやな経験や直感に頼らず、科学的evidence(証拠・根拠)
に基づいて最適な医療・治療を選択し、実践するための方法論です。患者さん
の診断・予後・治療などに関するデータを、疫学的・生物統計学的手法で解析し、
個々の患者さんに最適な臨床判断を下す方法論・学問である臨床疫学を、臨床
問題解決のために再構成した概念です。

簡単に言うと今までは医療者の経験に基づく治療を各医療者がその裁量で行っ
ていたが、今後は世界の研究者が行っている研究結果(数字)にもとづいた確
かな証拠がある治療法、治療薬を患者に対して処方していくということを意味
します。

実際にどういったことかわかりやすくするためにEBMの必要性を決定づけた
ものの一つである有名な調査研究を次に紹介します。

◇◇「心筋梗塞後の抗不整脈薬の使用についての<CAST study>」◇◇

心筋梗塞の患者は、急性期をすぎてから突然不整脈になって亡くなることがあ
ります。そのため心筋梗塞になった患者には、抗不整脈を投与すべきであると
いう理論がアメリカの心臓を専門とする医者の共通意見になっていました。と
ころが、アメリカの国立心肺血液研究所で心筋梗塞後の患者に対する大規模調
査の結果、抗不整脈を投与された群の方が偽薬(実際には薬効のない偽の薬)
を投与された群に比べて死亡率が有意に高かったという結果が出ました。この
様な結果となった理由には様々な事が考えられますが、その大きなものの一つ
に薬の副作用があると考えられました。

つまり不整脈を防いでも副作用の悪影響の方が大きければ、薬を使った群の死
亡率がより高くなってしまう可能性をこの研究は示したのです。いずれにせよ、
この調査結果をもとに、少なくとも心筋梗塞を起こした全例に予防的に抗不整
脈薬を投与することはやめようという結果になりました。

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この調査研究のように今までは科学的根拠もなく理論的に一番良いとされてき
た治療法や薬が、長期間の予後を調査しデータを分析検討していくことで治療
法や薬の使い方などが変わることがあります。人の体は薬を使ったり、手術を
したり、検査をすることで何が起こるかわかりません。そのため今までのよう
に理論に従って薬を使ったり、手術を行ったりするよりも、長期間のフォロー
アップ調査をした上で、確率的に一番予後の良い治療を行うべきだというEB
Mの考え方が必要とされていきました。

今後データを通して皆さんにいろいろな論文や治療法などを紹介していく上で
EBMという考え方が大変重要になってくるため、今回はEBMの基本的な考
え方と医科領域における代表的な調査研究を紹介しました。次号は「EBMと
情報収集」について解説します。

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■ はじめまして! 受付・坂本真由美

8月より、受付で勤務させて頂いている坂本です。中学生の時、私は歯科衛生
士である母の勧めで多くの皆様と同様に矯正治療を行いました。装置装着中の
歯を動かす痛み以上に、治療に対する恐怖や不安などの精神的な負担の方が大
きかった事を覚えています。ワイヤーを口いっぱいに詰め込まれる夢は治療の
3年間に何度も見ましたが、綺麗に整っていく歯を見る事はとても楽しいもの
でした。現在治療中の皆様も同じではないかと思います。

長い矯正治療が終わり装置を撤去した時は、私以上に家族が喜んでくれました。
思い返すと、私の食事だけは柔らかくて食べやすいものにしてくれる母の気遣
いや、「綺麗になったな!(あくまで歯並び)」とさりげなく声をかけてくれ
る父の気遣いがありました。この様な家族の気遣いがあったからこそ、私は矯
正治療を最後まで続ける事が出来たのだと思います。

矯正治療を受けて、歯並びが綺麗になり嬉しかった事を思い出すと同時に、私
が治療中に温かく感じた「気遣い」の出来るような受付になれるよう、矯正治
療後の笑顔を多くの方が手に入れられる事を願い、応援します。これからもど
うぞよろしくお願い致します。

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■ ひるま矯正歯科からのお知らせ

<あなたの矯正治療体験を聞かせてください>

ひるま矯正歯科で治療中または治療を終了された方で取材にご協力いただける
方を募集しています。

● 取材は30分~40分程度、ひるま矯正歯科で行います。

● 取材内容:矯正治療を始めた理由、ひるま矯正歯科を選んだ理由、矯正治
療中、大変だったことなどなど。ひるま先生の面白エピソードなどお持ち
の方は大歓迎!! 『ひるまだより』編集部が取材させていただきます。

● 掲載媒体:ひるま矯正歯科ニュースレター『ひるまだより』・ひるま矯正
歯科ホームページ
● 掲載内容:インタビュー記事、担当医師による症例解説・写真(治療風景
・スタッフとの記念写真・症例写真など)

ご協力いただける方は、お電話かメールでお知らせください。ご協力よろしく
お願いします。

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■ 編集後記

『ひるまだより』30号では、歯科衛生士の千田幸恵さんを取材しました。千田
さんの治療の様子を見ていて、丁寧に治療をされているなあというのが、よく
わかりました。ひとつひとつ説明して、理解を求める。真剣に仕事に取り組む
姿勢と千田さんのやさしいお人柄が相まって、とてもステキな光景でした。

『矯正歯科専門医からのお便り』次号は、2010年1月末ごろ配信いたします。
お楽しみに!(S)

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◎ ひるまだより とは
ひるま矯正歯科で、隔月で発行しているニュースレターです。
下記アドレスからダウンロードできます。
https://www.hiruma.or.jp/html/newsletter_top.htm

◎ 配信停止を希望される方は、こちらからお願いします。 
https://www.hiruma.or.jp/kaijyo.htm

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Presented by オーダーメイドの矯正治療《ひるま矯正歯科》

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