| こんにちは.晝間康明@ひるま矯正歯科です. 参照されている回答は先代の院長(父)によるものですが,既に臨床からは退いているため現院長の私が回答させていただきます.
正面からみて左右側臼歯の頬舌側咬頭を結んでできる側方歯牙湾曲の事を「ウイルソン湾曲」と言います.この湾曲が上に凸であれば上顎の臼歯部が舌側(口蓋側)に傾斜し,下に凸であれば頬側に傾斜している傾向を示します. 19〜25歳までの日本人180名についての矢崎らの研究では,上顎第1小臼歯では約80%,第2小臼歯では55%のウイルソン湾曲が上に凸で残りは水平となっています.また大臼歯部ではウイルソン湾曲が下に凸(上顎大臼歯部が頬側,下顎大臼歯部が舌側に傾斜している)の割合が大きく第1大臼歯部では60%,第2大臼歯部では100%となっているようです.具体的な角度についてはわかりませんでした. 従いまして,第1大臼歯以降は遠心に行くに従って上顎大臼歯は頬側に傾斜し下顎大臼歯は舌側に傾斜する傾向にあると言えるかもしれません. ただし,この報告は頬舌側咬頭を結ぶ角度となり具体的な傾斜角度は歯の形態や上下顎骨の位置関係により異なりその幅は広いものと思われます.
以上,参考になれば幸いです.
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