| こんにちは.晝間康明@ひるま矯正歯科です.
個別の質問にお答えします.
■抜歯の時期について
一般的な矯正治療適応症例の9割に叢生(乱ぐい歯)を認めます.叢生の原因は,顎骨に対して歯が並ぶスペースがない事ですので矯正治療開始前に抜歯を行なう必要がありますし,抜歯をせずに矯正治療を開始すると治療期間が長くなる事もあります. しかし,本症例では空隙歯列である事から矯正治療開始前に抜歯をしなくても治療開始は可能でしょう. そして,スペースを閉鎖しながら矯正治療に慣れて頂き口元の突出感の改善状態などを確認して抜歯治療に切り替える事も可能と思われます.
■外科矯正
術前矯正が終われば速やかに外科手術を行なう事が理想的です.しかし,妊娠などの優先的な事象が現われた場合には一時的に歯の移動を中止したりリテーナーに変えたりして手術を先延ばしする事は可能であると思います.
■矯正装置
現在,金属の装置以外の審美的なブラケットでも保険適用となるブラケットが数種類あります. プラスチックブラケットは1年くらい経過すると脆くなって壊れやすく,セラミックブラケットは対合歯と接触すると対合歯が摩耗してしまうデメリットがあります.しかし注意して使用すれば治療の質を著しく低下させる事は無いでしょう.当院では,金属,セラミック,プラスチック,ジルコニアを使用していますがブラケットによる治療結果の差はほとんど無いと感じています.
>先生の症例で、上下顎前突の症例で、抜歯+外科治療の症例ので口元がとてもきれいに改善されているお写真がありとてもうらやましく思いました。 >最初は、隙間だけ埋まればいいかと思っていた矯正治療ですが、いろいろ資料をみたり、相談をしていく中で欲がでてきてしまいます。反面怖さもあるのですが。
私に矯正歯科治療を指導していただいた先生の言葉に 「矯正治療は美しくなるためだけに行われるものではありませんが、美しくならなければ意味がありません。 」 と言うものがあります. 矯正歯科医が求める美しさとは,機能や健康をを追求した結果の機能美なので美しくなる事を諦める事は無いと思います.
>こういった形で気軽に質問をしてしまうのは、先生には申し訳ないかなと思いつつ、ご意見をうかがえる事で気持ちが迷いも少し薄れていきます。不躾な質問ばかりで恐縮ですが、ご教授いただければ幸いです。
ネット上での質問のやり取りですが,少しでもお役に立ち質の高い矯正治療を受けるための一助となれれば矯正歯科医としてこの上ない喜びです.
以上,回答とさせて頂きますが御不明な転があればお気軽にお尋ね下さい.
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