| chieさんの矯正資料的詳細は不明ですが、<上顎前突、下顎後退、開咬、叢生で10mmの出っ歯>という状態は、十分にtough case(術者にとってタフな症例、難症例)であることが分かります。4通りの意見はそれぞれに先生の考え方が反映されていて、意見はすべてそれなりに妥当なものだと思います。そのうえで、chieさんの治療方針を決める際にもっとも重大な点は、外科矯正でやるか歯牙移動のみの矯正でやるかにあります。本来、外科矯正の適応であるケースを外科なしで矯正した場合、治療結果は外科矯正で得られるそれとは当然異なることを、十分理解(納得、承諾)しておくことが肝要ですが、chieさんの<手術は受けたくない>という気持ちが揺るがないとすると、選択肢は決まってしまいます。ただ、外科矯正には<手術>という大きな垣根がありますが、外科矯正でない場合のデメリットやリスク(治療期間、治療結果、歯周組織への侵襲の度合いなど)を勘案すると、外科なしの矯正なら行なわないとする矯正医もいるだろうことは頭に入れておいてください。 標題である<矯正歯科の病院選び>は一般の方にはかなりむずかしいらしく、今年の8月、読売ウイークリーという週刊誌が3週に亘って矯正歯科の特集を載せました。その後のまとめを、特集の担当者が読売新聞の医療欄にも書いていましたが、今の矯正歯科医療には標準治療というものがない、つまりどの病気の治療にもある「診療ガイドライン」が、矯正治療に限ってはないことに驚いています。4人の矯正医に聞くと4通りの治療方針が出る理由はそこにあります。 <どうやって病院を決めたらいいか困っている>状況はよく分かります。が、残念ながら当方もchieさんを納得させるに足る回答を持っていません。(読売ウイークリーの特集記事は、探して見つかれば読んでおいてもいいかもしれません。)
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