| 矯正治療とは、広義の意味での予防歯科です。ゆうさんのように歯列・咬合の崩壊がドミノ倒しのように進行する状態(デンタル・ドミノ)を、ともかくどこかで食い止める必要があり、その土台を構築するのが矯正治療であるという点で、矯正は(広義の)予防歯科です。 追加訂正文を得て、ゆうさんの口腔内状況は大体分かりました。褒められる状態ではありませんが、成人患者の多い矯正歯科にとっては特に珍しいケースではありません。これらのケースには、包括(ほうかつ)歯科治療といい、歯科診療科の各科が協力して総合的に治していく治療が必要です。具体的には治療のグランドデザインを矯正医が描き、一般歯科医がその治療計画にそって、現在ある疾患(虫歯や歯周病)を矯正治療に耐えるように治したうえで矯正治療に入り、矯正が終了したところで再び一般歯科医による必要な終末処置(歯冠修復や欠損部に補綴やインプラントなど)を行なうもので、さらに、虫歯や歯周病の再発を防ぎ、口腔衛生意識の向上と正しい口腔衛生習慣を身に付けてもらうために、定期的な管理(PMTC、歯石除去など)の下に入るというのが理想的な流れです。 包括歯科治療のこの一連の流れには、矯正医と一般歯科医と歯科衛生士の連携が欠かせません。この流れを一医院内ですべて出来る所もありますが、医院連携がしっかり構築されている矯正歯科であれば問題はありません。 <今死ぬほど後悔しているのですが時すでに遅し> 早い方がよかったことはいうまでもありませんが、手遅れでどうにもならないというケースはまずありません。ゆうさんに後悔(反省)の気持ちがあれば、これからの治療に前向きな<良い患者さん>になる要素は十分あります。その心構えが一番大事です。 20世紀の歯科治療は<痛くない>が精一杯の売りでしたが、今は歯医者さんに行って<気持ち良くなって帰ろう>の時代です。歯科医は励ましこそすれ叱責したりしません(心無い言葉を吐く歯科医だったら、ゆうさんの方から断りなさい)。 <悪条件の塊でも矯正は可能でしょうか> 道は必ずあります。「一緒に頑張って治していきましょう」と声をかける矯正医がいるはずです、まずは勇気を出して最初の一歩を踏み出してください。
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