| <担当歯科医師が紹介する矯正歯科医師にかかるのが大事>というより、歯科医師同士のコミュニケーションが取りやすい関係にある方が<トラブルを避けやすい>と解釈してください。 次の<奥歯を抜いて何もしない場合>についてですが、逆に<奥歯を抜いた後の処置には何があるか>を考えると、理屈の上からは、インプラント、(下顎に親不知があれば)移植、(いわゆる)入れ歯、ブリッジ、が考えられます。インプラントと移植には条件があって絶対できるとは限りません。ブリッジは<橋>のことですから、両側に歯がなければ遊離端(ゆうりたん)といって安定した物が入れられません。支台(橋脚)になる歯を削らなければいけないこと、その歯に負担が掛かることから、遊離端ブリッジというのは通常入れません。あとは取り外しのできるいわゆる入れ歯です。諸々の条件やデメリットを考えると、抜歯後何も入れないというのは一つの選択です。
<他の歯が動いて、隙間の開いた歯並びになりますよね?> その可能性は無きにしもあらずですが、ヒトの歯は生理的に前に移動する性質がありますので、最後方臼歯を抜歯したからといって、前の歯が後ろに動いて隙間ができることは、通常はありません。むしろ38歳でその歯を抜かざるを得なくなったsaoriの口腔衛生習慣が問題で、その点をキチンと検証してもらい、自分に合った歯科予防プログラムを組まないと、やがて口腔崩壊の道をたどります。 これをドミノ倒しに例えると(デンタルドミノ)、小児期の歯に悪い食物摂取や不規則な食習慣、不十分な歯面刷掃が最初のドミノを倒し、やがて虫歯になって詰め物から被せものにまでドミノは進み、歯肉の状態も悪くなって被せものの歯根に炎症が波及して遂に抜歯、80歳では残存歯が20本どころか数本か無歯顎(総入れ歯)でドミノが終了、という図式にはまりかねません。 矯正治療とは広義の予防歯科で、デンタルドミノを食い止めるきっかけになり得る治療です。
|