| <実際はどうなのでしょうか>というご質問ですが、裏側矯正(リンガル)推奨派の意見も否定派の意見も、どちらもケースによりけりですので、双方とも一理あるが全面的にどちらが正しいとはいえません。つまり、一口に上顎前突といっても多種多様ですから、はるなさんのケースにどちらの意見が当てはまるとも、当てはまらないともいえない、ということです。 <裏側をやっておられる先生で信頼できる先生は>ということですが、そもそもいい仕事をしたいと考える矯正医は、いい仕事のできる<道具>を選びますから、基本的にリンガルには手を出しません。その意味で、リンガルを謳う矯正医の治療哲学を信用していないので、責任上紹介はできません。ちなみに、リンガルにスタンダードエッジワイズテクニックというのはありません。メカニック上できないといった方がいいかもしれません(基本的にストレートアーチワイヤ・テクニックです)。 1550で引用した方を今カルテで調べてみましたが、外したのは2回で上下前歯(犬歯から犬歯まで)のみだったようです。ただ、この方の不正はちょっと特殊で、上顎の左右側切歯(2番)が形態異常(矮小歯)だったため、上顎は2番を抜歯、3番(犬歯)を2番に、4番を3番に代用しました。そのため2番を抜いた隙間が閉じるまでの間、審美上の要求に応じてそこにダミー(見せかけの歯)を作り、歯の移動に合わせて調整したりした手間が大変でした。面接のたびに調整等がありましたので、その当時の通院間隔は相応に短く頻繁だったのは仕方ありませんでした。 当院がはるなさんにどう対応できるか今の段階では何とも言えませんが、どこの矯正歯科でも患者さんの人生の大事なイベントには、要望にそってできるだけのことをするはずです。
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