| 医師法、歯科医師法では、患者を診療したら遅滞なく<経過を記録すること>が義務づけられており、その記録を診療録(カルテ)といい、施行規則には、最低限以下の4つを記録しなければならないと定められています。 1.診療を受けた者の住所、氏名、性別及び年齢 2.病名及び主要症状 3.治療方法(処方及び処置) 4.診療の年月日 マリモさんのご質問の主旨である3.についてですが、保険診療の場合は健康保険事務所の厳しい査定があり、点数(給付されるお金)と直結するため、保険用に決まった書式で診療録は書かれますが、こと自由診療の矯正治療に限っていえば、書いた本人かせいぜい同門にしかわからないような略号だらけ、というのが大方の実情といえるかと思います。 たとえば、その日の記載事項が<UL016>とか<U85V、L75V>だけというのはザラで、術式(テクニック)を同じくする矯正医が今これを見たら、診療状況を容易に理解し、次回にはどのような状態になるかを予測し、診療の内容もだいたい見当がつくものですが、術式の異なる矯正が見たらまずほとんど分からない、というのが矯正のカルテといえるかもしれません。 矯正のカルテが<書いた本人かせいぜい同門にしかわからないような>ものであっても、術式がキチッとしているので通常はそれで十分です。そのうえで、特記すべき事項がある時は簡略に付け加えますが、それでも当院の一日の診療録の記載は基本的に一行です。 マリモさんの主治医に対する不信感は、カルテの記載の問題ではなく、その先生の個人的な資質の問題か、マリモさんのケースが極めて不定形な複雑なケースであるか、当事者でない者には分かりません。マリモさんは、矯正を開始して一年を経過したこの区切りの時に、これまでの経緯と今の状況、今後の見通しについて一度時間をとってもらって、説明を求めると安心できるのではないでしょうか。
|