| 2006/10/24(Tue) 09:23:59 編集(投稿者)
回答として正面切っては書きにくいのですが、バリバリの機能学派の矯正医にはともかく、外科矯正にせよ通常の矯正治療にせよ、治療にあたって筋電図を含む顎機能検査はあまり意味を持ちません。 それが不必要という意味ではありませんが、機能検査の結果が治療方針を決定する要素にはならないこと、現在の機能検査機器そのものの基準あるいは評価がよく定まっていないこと、検査法によっては明らかな不正咬合、不正歯列の場合でも機能的には正常という値が出ること、外科にかぎらず矯正治療前後の検査値が変化しても、すべて正常値に変化あるいは近づくわけではないこと等々から、研究としては興味深いツールですが、矯正臨床上はその検査に必ずしも大きな意義はない、と思っています。 矯正歯科医院のHPによく「顎口腔機能検査機器設置機関」とありますが、これは、歯科医が簡単に顎変形症の矯正を保険で診療するのを防ぐための(社会保険庁が設けた)ハードルのようなもので、あくまでも保険診療のための事務上の行為であって、診療に常に必要な作業ではありません。(本来の意味は、顎変形症の手術が美容目的でないことを明確にするために導入されたものです。) てんすけさんが<保険治療が適用されない医院で治療>しているのであれば尚更のこと、そのために機能検査などはまずどこもしないでしょう。外科矯正であろうとなかろうと、それで十分だと個人的には思っています。ちなみに、外科医から機能検査のことについて尋ねられたことは一度もありません。 機能学派からの非難の声が聞こえて来そうですが、<回答として正面切っては書きにくい>と書いた理由はお分かりいただけたかと思います。
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