| 2006/05/31(Wed) 15:29:07 編集(投稿者)
愛子さんが、いずれ矯正治療を受けるか受けないかで回答が大きく変わるのですが、<すごく歯並びが悪い>状態であれば、将来の口の中の衛生管理のためにも矯正治療されることをまずお勧めします。その前提で回答を書きますが、被せもの(冠)は歯と歯茎の境目の封鎖が重要で、作るときは当然その歯の位置に合わせて形態を整えます。しかし、矯正治療はご承知のように歯を動かす治療ですから、せっかく被せた歯も動かさなければいけません。 歯を動かすと、移動する前には合っていた被せものの歯茎の部分が合わなくなったり、咬む面の形態も新しい咬み合わせに合わなくなりますので、ほとんどの場合は矯正治療後に、新しい咬み合わせに合った被せものに作り替える必要があります。そのため、矯正治療が前提になっている場合の補綴物(被せものなど)は、矯正後にキチンとしたものを入れることを条件に、矯正治療に耐えるに足るだけのものを入れておいてもらうのが普通です。 愛子さんのいう<保険の利かない高い白い歯>というのは、メタルボンド冠(金属で出来た冠に陶材を焼付けて作る補綴物)かと思いますが、矯正治療の前にこれを入れてしまうのは無駄です。これは矯正後に入れるべきものです。 また、親知らず(8番といいます)が残っているということですが、6番目の歯の状態によっては、親知らずは抜かずその歯を抜いて、7番8番を前に移動して6番7番に代用することも考えられます。それができれば、白い(人工の)歯どころか虫歯のない健全な白い歯を再び手に入れることになります。 愛子さんの矯正的詳細が分かりませんので絶対的なことは言えませんが、矯正を前提とした補綴処置は、その前に矯正医の診断を経て依頼するのが大切です。愛子さんの経済的事情まで立ち入るわけには行きませんが、矯正治療を先延ばしにせず、今からはじめることを考えた方が望ましいように思いますが、いかがでしょうか。矯正治療中の妊娠や出産は、できれば避けるに越したことはありませんが、あまり支障にはなりません。実際、そのような患者さんは十指に余りますし、いま現在でも妊娠されている方、先月出産された方など数名がいらっしゃいます。 以上ですが、蛇足ながらいま掛かっている歯科医に矯正のことは相談されているのでしょうか。矯正に造詣のある歯科医であれば、被せものについては上記のようなアドバイスをし、いまは保険でやるはずですが、承知でポーセレンを勧めるとしたらそこでの治療は再考の余地有りです。また、いずれにしても矯正治療をするとしたら、矯正専門歯科医院で行なうことを肝に銘じておいてください。それが不要なトラブルを避ける道です。
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