| この質問コーナーでは、以前から「いずれ不適切な非抜歯矯正による弊害が表面化し、大きな問題になるだろう」と書いてきました。下段の「悩んでます・・・。」の ごーやーマンさんのケースもそうですが、非抜歯論者の抜歯矯正に対する不勉強や不見識、歪んだ理論展開には虫酸(むしず)が走る思いです。 加えて、偏執的とも思える非抜歯至上主義は、患者さんとのまともな対話をも拒んで、身勝手な持論を一方的に押し付ける傾向があるようです。何より、抜歯矯正だと「外人みたいになる」とは、たとえばオードリー・ヘップバーンのような顔になるのはいけないことなのか。 でめたんさんの矯正をしているのは矯正専門医でしょうか。ともあれ、今の状態を信頼のおける別の矯正専門医に見てもらう(セカンドオピニオン)ことをお勧めします。場合によれば転医した方が、長い目で見れば得策ということも考えられます。 でめたんさんにせよ、ごーやーマンさんにせよ、不適切な非抜歯治療のために納得のいく治療結果が得られず、他院での再治療が止むなしとなった場合、これまでの期間と費用を無駄にし、改めて新規の矯正治療を開始しなければいけないという、極めて理不尽な経緯をたどることになります。 すでに当院には、問い合せを含めて抜歯治療による再治療を希望する患者が、年々明らかに増加しています。これから非抜歯矯正をしようとする人は、そのデメリットを十分理解し、自分が本当にその適応であるのかどうか、そして、最初の説明と明白に異なる治療結果になった場合の対処について、歯科医側にキチンと確認しておく慎重さも必要といわざるを得ません。非抜歯矯正のリスクはそれほど高いものであることを認識し、覚悟をもって臨むことです。
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