| 七歳の長男の方の<生え変わりの途中で抜歯をしたりしていけば>という治療方針は、(週に数回?、月に数回ではなく?)通って来るという矯正医のものでしょうか、それともそこの歯科医師の考えでしょうか。もし、矯正医の治療方針でないとしたら、あまり期待はしない方がいい、改めて矯正医のキチンとした治療方針のもとで管理下に入った方がいい、と思います。 <生え変わりの途中で抜歯をしていく>というのは、連続抜歯法のことだと思いますが、この方法は20〜30年前に結構盛んに行なわれていたものの、最近ではあまりやっているという先生の話を聞きません。私自身、一時期それなりの数を経験し、いい結果を得たことで少し多用し過ぎたためか、大きな失敗をしたこともあって今はまったく行なっていません。 この方法が適用できるケースはかなり少ないのが実情で、資料分析から確かな読みが要求されるむずかしい治療法、というのが経験上の認識です。この方法について簡単に述べておきますと、 1)基本的に、C(乳犬歯)、D(第一乳臼歯)、4番(第一小臼歯)の順に時機を見て抜歯していく方法ですから、最終的に永久歯(4番)の抜歯が条件であり、この方法で歯を抜かない(非抜歯)で治めることは、基本的に想定されていません。 2)連続抜歯法だけで終了することはまずなく、どのケースも最終的には矯正装置を入れて仕上げる必要があります。そのため、この方法は矯正医が行なうことが要点です。メリットは、その期間が短くて済むことと、ひどい八重歯を経験しなくて済むことでしょうか。 3)途中で想定外の事態が起こる可能性がありますので、それを回避できる矯正家の目と技術がないと危険です。 連続抜歯法は、広い意味で先の回答で述べた「適切な歯の生え変わりの誘導」に含まれるかと思いますが、そこまで考えて述べたものではありません。長男の方の今後の増齢的な咬合の移り変わりについては、矯正医による確かな判断がまず必要ですが、連続抜歯法は長期にわたるだけに、(途中で矯正医が変わるなど)管理体制が不十分なところでは、あまり適さない方法です。ただ、これはあくまでも一般論ですので、その歯科医が(矯正医でないとしても)連続抜歯法に熟達した先生であれば話は別です。
次男の方の交叉咬合については、基本的に矯正医が診るべきもので、ただ、すぐに矯正に入るはずはないので、それまでの間、正しい歯の磨き方や虫歯の健診のために、一般歯科の管理下に入っていてください、という意味です。交叉咬合についてはいつか一度、矯正専門医に見せて話を聞いておくのがよい、と思いますが、その歯科医院に週に数回も(同じ)矯正医が来るのであれば、その矯正医で構わないと思いますが、やはり安心なのは、矯正歯科専門医院に行くことです。これは長男の方にも当てはまることで、一度シッカリした矯正医の意見を聞いておいた方が、今後のためにも無難なように思います。
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