| 上の前歯4本が永久歯になるのは大体8歳ぐらいですから、6歳ではかなり早い萌出(歯が生えること)といえます。まずは、永久歯を虫歯にしないよう、親は口腔清掃の管理を肝に命じなければいけません。 家系的に反対咬合があるとのことですが、もしお嬢様が遺伝子としてその要素を持っていたら、(程度によっては)最終的に外科矯正が必要になる可能性があることを、ご父兄は頭の隅にいれておく必要があります。これは、たとえ早期から矯正治療を続けていても、という意味を含みます。現在の矯正歯科医学では、生体の持つ成長発育能をコントロールするのはかなりむずかしく、ケースによってはほとんど無理だからです。 その点をご理解いただいたうえで、番号順に質問にお答えしていきます。 1.今から治療が必要かどうかはともかく、矯正歯科医療では、この種の不正咬合には2段階に分けた治療が必要とされています。1期目の治療は、2期目の治療の前準備的な意味合いを持っており、1期治療が終わった後、2期目の治療開始まで、定期的な観察が続きます。2期目の治療は、基本的に大人の歯が全部生えそろってから入りますし、ことに反対咬合は下顎の成長が止まるのを確認し、親知らずを管理(多くは抜歯)したところで、矯正治療が終わりになります。 矯正医は、その期間の長さをよく知っているので、あまり早くから装置を入れたがりません。小児歯科医がそこまで責任を持って対応してくれるのかどうかが問題です。 2.今すぐ始めるか、すべて永久歯になってから始めるかの二者択一は極端で、先に述べたように、お嬢様はまず2段階治療を覚悟すべきケースですから、いずれ永久歯列になってから2期目の治療が必要になるに当って、1期治療を、いつ、どういう形で、何をすべきか、長期的な方針を立てたうえで、(矯正学的立場から)時期が決められます。 3.ある段階で、矯正歯科専門医に転院する必要に迫られる可能性は捨てられません。その際に、小児歯科医院で行われた最初の治療が、無意味か、しない方がよかったとなることも考えられます。(その理由は長くなるので省略します。) <プラスチックの3種類の器具を使い>という方法が何なのか、よく分かりません。
少なくともhotaruさんには、矯正歯科専門医に相談だけでもしたうえで、どうするかを考えても遅くはないように思います。
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