| ご質問の<7歳の時点で乳犬歯を抜いても大丈夫か>ですが、いうまでもなく、抜かないで済むのであれば抜かないに越したことはありません。抜く抜かないはケースバイケース、といってしまえばそれまでなのですが、この時点で乳犬歯を抜くということは、2期治療(1期治療の後の本格矯正)で、永久歯を抜歯して治療する方針がほぼ決定することを意味します。 ゆっきさんは、下顎乳犬歯の早期抜歯による変化を例に上顎の場合を心配されていますが、抜歯後ただちに1期治療(一次矯正)に入るということですので、その点については心配いらないと思います。 ただ、<父親が受け口で歯並びも悪い>という遺伝的要因に少し引っかかるところがあります。やはり乳犬歯を早めに抜けば顎は狭くなりますので、できれば乳犬歯は抜かず、その乳犬歯にも装置を付けて拡大が可能であれば試したいところですし、そのようなことは結構やりました。もちろん、それができるかは必要な隙間の程度問題ですが、上顎の歯の抜け替わりは、乳犬歯より先にその後ろの第一乳臼歯(D)の方が早いことから、乳犬歯を抜かず、代わりに左右第一乳臼歯(D)を抜歯し、乳犬歯を後ろに送る(拡大する)のがいいという海外の論文があり、恩師(教授)もそれを推奨したことから、その考えにそって治療した症例もいくつかあります。その他、乳犬歯の削合(さくごう:スペースを作るために削ること)も推奨されました。 ゆっきさんが迷うような回答になってしまいましたが、乳犬歯は抜かないで済むなら抜かない方がいいことは確かです。そのための方法を書きましたが、実際に乳犬歯を抜くことも少なくないのも事実です。 もう一度、矯正医に乳犬歯の抜歯の必要性を尋ね、疑問点を質(ただ)し納得したうえで治療に臨まれることをお勧めします。
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