| 一度付けた装置を一時的に外す理由としては、(本人の)結婚式、(モデルを含む)芸能活動、面接(就職活動)の3つがほとんどで、特殊な例として頭部のMRI撮影などがありますが、これは必ずしも外す必要はありません。いって見れば、この3つの事情はすべて<見てくれ>の問題であって、厳密に医療という観点からすれば、必ずしも外してあげなければいけないものではありません。かつて当院の女性患者さんで、知らない内にそのまま結婚式を挙げた人がいて、「言ってくれれば外してあげたのに」といった例は例外的かもしれませんが、naokさんの<一週間もしないうちにはずさなければいけない所要>とは、いかなるものだったのでしょうか。どの矯正医も患者さんの要望にそって一時的に外すことはあるでしょうが、<一週間もしないうちに>という短期日での一時的除去は、まず聞いたことがありません。 矯正歯科治療に当っては、かなり長い装置装着期間を必要とすること、矯正装置は固定式で、それを装着するにはそれなりの準備と期間を要することは、どこの矯正歯科医院でも必ずあらかじめキチンと伝えるものです。そのうえで、治療期間中に一時的に外さなければいけない事情をもつ患者さんには、まえもって十分なスケジュールの確認をしながら治療を進めるものですが、はじめから一時的除去が頻繁になるという人は、責任上、治療を断るのが一般的な矯正医の対応かと思います。 文中、<最後に>という言葉があるところからすると、担当医はnaokさんの診療継続を拒否したということでしょうか。ただ、<左上下のアンカーが無い>というのは確かにかなり不利な条件で、治療が難しいのも確かですが、難しい症例だから<他の医者ではやってもらえない>ということはないと思います。問題は、いかなる所要だったにせよ<装着一週間も経たない内に一時的に除去せよ>という、naokさんの考え方、姿勢がそれまでにも陰に陽にあって、ついに担当医も堪忍袋の緒が切れたというのが、(うがった見方をすれば)実状ではないかという気がします。 コルチコトミーの説明は省きますが、コルチコトミーはnaokさんの今のむずかしい条件を排除するものではありません。安易(?)な考えは、仮に新たな矯正医に移ってもまた似たトラブルを起こす要因になります。新たな矯正医が今以上の先生とは限りませんし、少なくとも今の矯正歯科医院には、請求される金額の支払いは必要ですから、転院は金銭的にも勿体ないことです。naokさんと担当医との間でどのような感情的な縺(もつれ)があったのか、なかったのか分かりませんが、いま一度、担当医に謝るところは謝り、今後はできる限り誠実な患者になるよう努める旨の一筆(念書)を入れて、矯正を継続してもらうのが無難という気がします。
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